新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大が続く沖縄県では、検査を早期に受けられない事態に陥っている。社会経済活動に欠かせない「エッセンシャルワーカー」の感染や濃厚接触による欠勤も相次ぎ、業務の継続が綱渡りになっている。(木村雄二)
■長蛇の列
土産物店や飲食店が軒並みシャッターを下ろした那覇市の国際通り。にぎわいが消えた通りで、民間のPCR検査場前だけは連日、長蛇の列ができている。
「息子は濃厚接触者なのに行政の検査がすぐに受けられず、ここに来た」。15日に長男(6)と列に並んでいた那覇市の男性会社員(48)はため息をついた。
長男の通う市内の認定こども園で11日に感染者が確認され、長男は濃厚接触者と認定された。しかし、園からは、行政の検査は逼迫(ひっぱく)して1週間待ちとの連絡を受けた。
男性の勤務先のコールセンターは職員約10人の半数が感染や濃厚接触で欠勤中で、男性も社内規定によって長男の陰性が確認されなければ出勤できない。長男に感染を疑わせる症状はないが、「感染の有無が分からないのは不安だし、出勤もできない」と焦りを募らせていた。
県は1日最大約2万6000人分の検査体制を整えたが、スタッフ不足などで1日約2万人分の実施にとどまっている。県民向けの無料検査などで需要は急増しており、濃厚接触者など本来、優先度が高い検査に時間がかかっている。
■「休み返上」
検査の目詰まりは、社会機能を担う現場の人手不足に拍車をかけている。
県中部の高齢者施設では、約50人の職員のうち10人が感染や濃厚接触などを理由に欠勤。外国人技能実習生が入国できないことによる現場の人手不足をさらに深刻化させている。
入所者の入浴を1日1回から3日に1回に縮小。食事も栄養に留意しながら3食から2食に減らしてサービスを維持している。
政府は14日、濃厚接触者の待機期間を14日間から10日間に短縮し、エッセンシャルワーカーについてはPCR検査なら6日目、簡易な抗原検査なら6日目と7日目に陰性が確認できれば待機を解除できると決めた。施設では、PCR検査を検討したが、早期に受け付けてくれる検査機関が見つからず、17日に急きょ抗原検査キットを20個買い集めた。運営責任者は「検査を進めて職員を早期に復帰させたい」と話す。
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検査の目詰まりは情けないでしょう。
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