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政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長が、変異株「オミクロン株」対応について「人流抑制より人数制限」と発言したことが、波紋を広げている。 繁華街などで人出が増えれば、感染拡大に拍車が掛かるとの懸念が拭えないからだ。2年以上に及ぶコロナ対策の転換を提起したと受け取れる発言だけに、政府は対応に苦慮している。 「オミクロン株の特徴にふさわしいめりはりのついた対策を打つ必要がある。人流抑制ではなく人数制限がキーワードだ」。尾身氏は19日、「まん延防止等重点措置」の対象拡大を了承した分科会の終了後、記者団にこう表明。「ステイホームは必要ない。渋谷駅前の交差点がいくら混んでいてもほとんど感染しない」とも指摘した。 この発言が波紋を広げるのは、オミクロン株の感染力がデルタ株の「3~4倍」(専門家)とされるにもかかわらず、行動制限を過去の感染拡大時より緩めることを容認するかのような印象を与えたからだ。 さらに、19日の分科会で了承された基本的対処方針は、重点措置を適用中の自治体で取るべき対策として、混雑した場所などへの外出自粛を明記。一方、検査で陰性と確認されたグループには5人以上の会食を認めるなど、尾身氏の発言と明らかに食い違う内容だった。 自治体には困惑が広がっており、東京都の小池百合子知事は21日の記者会見で「国と尾身氏で整合性を取ってほしい」と苦言を呈した。 分科会関係者によると、尾身氏が着目しているのは、オミクロン株の重症化率の低さのようだ。専門家の一人は「人流抑制は効果がある分、経済への打撃が大きい。オミクロン株の感染はある程度許容しようという意味だ」と解説する。 もっとも、首相官邸サイドはコロナ対策の転換に慎重だ。オミクロン株に重症化リスクがないわけではなく、後遺症も報告されている。一定の感染拡大を容認すれば世論の反発を招きかねず、官邸幹部は「政府から人流抑制しないと言えるわけがない」と漏らす。 思わぬ反響を受け、尾身氏は20日夜、全国知事会の平井伸治会長(鳥取県知事)との電話で、「迷惑を掛けた」と沈静化に努めた。21日には他の専門家と共同で、オミクロン株には「人数制限が適している」としつつ「人流抑制を加味することもあり得る」と軌道修正する提言をまとめ、政府に提出した。 木原誠二官房副長官は同日の記者会見で、人数制限を重視する考え方を政府の対策に反映するか問われ、「対応は日進月歩だ」と述べるにとどめた。
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世界的な流れで、ある程度許容なのでしょうが、医療崩壊には急ブレーキも必要でしょう。
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