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全国に張られた高速道路網は、走った分だけ支払う料金制度が当たり前のように続いてきた。本来は半世紀前に日本初の高速道路が通って以降、一貫して「将来的な無料開放」が原則となっている。一度も無料化のめどは立たず、昨年夏には料金徴収制度の延長も検討されている。永久有料状態とも言える状態に異議を唱える動きが出始め、県内の運送業者は無料化を求めて司法に訴えた。 現行の料金体系は1回の入場料を「ターミナルチャージ」として150円を徴収し、さらに原則1キロ当たり24・6円がかかる「距離制」を採っている。 1963年に日本初の高速道路、名神高速道路が開通。莫大(ばくだい)な借金で建設したため、料金収入で返済した後に無料化する「償還主義」を取った。 公共財として、高速道路は整備と管理を国、自治体が担い、今も「無料開放」が原則だ。高速道路網の拡張に伴い、72年には無料化の条件を全路線の費用返済に拡大した「プール制」が採用された。採算路線の収益を不採算路線に充てる形となり、無料化のハードルがさらに高まった。 2009年に政権を取った民主党(当時)は、無料化を公約に掲げたものの、本格的には実現しなかった。 道路関係4公団が民営化された05年時は「50年までに無料化」と掲げたが、12年の笹子トンネル事故を機に老朽化費用確保を理由として「65年まで」に延長。さらに21年8月、国土交通省の審議会は、料金徴収期間の延長検討を答申した。 そんな中、無料化を求めて水戸市内の運送業者3社が同年8月、東京地裁に提訴した。県内の同業者37社でつくる「高速道路無料化推進協議会」の会員たちだ。 運送業者側は、現行制度が憲法の保障する「居住、移転、職業選択の自由」に反し、違憲だと主張。高速道路を管理する首都、東日本、中日本の各高速道路会社に「通行料を徴収してはならない」と請求し、建設費を完済した路線の無料化を唱える。 運送業者側は「憲法では国民の居住、移住の自由が定められ、通行の自由も保障されている。半永久的有料道路状態は明らかな憲法違反だ」と指摘する。 高速道路会社側は憲法違反を否定し、棄却を求めている。 ■識者提言 「定額制」で格差解消を 元岐阜県職員で経営コンサルタントの近藤宙時(ちゅうじ)さんは共著「地域格差の正体」の中で、高速料金の「定額制走り放題」を提言し、実現すれば地域活性化につながると主張する。 職員時代に企業誘致を担当した近藤さんは、政治や行政、企業などが首都東京に一極集中する状況で、地方は東京との結び付きが避けられず、「距離制」が物流や人、金の交流を妨げていると実感した。走るほど高くなる距離制は「東京からの距離を倍化させ、経済的にも政治的にも発信力を弱め、地方に不利益をもたらしている」と指摘する。
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憲法違反はともかく、経済活性化のためには、高速道路無料化もありでしょう。地方経済や観光業に貢献します。
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