特定危険指定暴力団「工藤会」(本部・北九州市)を巡る事件で、トップで総裁の野村悟容疑者(68)=所得税法違反容疑で再逮捕=が昨秋の逮捕時、調べに対し「適正に税務申告をした」と脱税を否定していたことが関係者への取材で分かった。16日の逮捕後は黙秘しているが、今後は容疑を否認するとみられる。福岡県警特別捜査本部は、親族や傘下の組員らから名義を借りた「借名口座」で自己資金を管理し、長年税務調査を免れてきたとみて解明を進める。
野村容疑者は昨年9月、北九州市小倉北区の路上で1998年、元脇之浦漁業協同組合長(当時70歳)を射殺したとして殺人容疑で逮捕された。捜査関係者によると、野村容疑者は当時、税務申告について問われ「収入は駐車場経営に関するものだけだ。きちんと申告している」と所得隠しを否定した。
野村容疑者は小倉北区の飲食店街の中心地に1445平方メートルの土地を所有し、このうち一部でコインパーキングを経営。捜査関係者によると、実際に駐車場経営で得た所得は、野村容疑者の主張通り適正に税務申告されていた。
その後の捜査で捜査本部は、野村容疑者の親族や、傘下の組員名義で契約された多数の預金口座が、実際には野村容疑者が管理する口座(借名口座)である事実を突き止めた。傘下の組員から集めた「上納金」はこれらの口座に分散して保管され、金庫番で同会幹部、山中政吉(64)ら3容疑者=いずれも16日所得税法違反容疑で逮捕=が野村容疑者の指示で入出金を繰り返していたとされる。
これらの借名口座などで管理されていた現金については、野村容疑者は税務申告をしていなかった。このため、捜査本部は2010~13年に、約2億2700万円の個人所得を除外して申告し、約8800万円を脱税したとみて、所得税法違反容疑で逮捕に踏み切った。
捜査本部と福岡国税局は17日、容疑を裏付けるため野村容疑者宅を家宅捜索した。
(毎日新聞)
暴力団関係者が、違法収益である上納金を収入として、確定申告するなんて聞いたことがないから、所得とすれば、すべて脱税なんだろう。
税務署と暴力団関係者の戦いが始まるのだろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿