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2015年6月19日金曜日

沖縄本島人は呑気で平和ボケ-仲新城誠(八重山日報編集長)


八重山から見れば沖縄本島は呑気

誤解がないよう言っておくと、私は「尖閣諸島を守るために米軍は必要。だから普天間飛行場を県内の辺野古に移設すべきだ」と主張しているのではない。辺野古移設を阻止しようとする反基地派が「では尖閣をどう守るのか」という私たちの問いに何一つ具体策を持たない現状に苛立っているのだ。

「米軍が尖閣のために中国と戦争することは有り得ない。だから尖閣防衛と辺野古移設は関係ない」というのが反基地派の言い分だ。ではどうすべきか。米軍がいらないと言うなら自衛隊を増強して尖閣を守るほかない。しかし反基地派は、単に辺野古移設を阻止するだけでなく「沖縄を非武装地帯に」などと言い出す。

これでは、尖閣問題を憂う私たち八重山住民が、辺野古移設阻止で反基地派と共闘することはできない。こんな状況だから、現時点では、尖閣防衛のためにも辺野古移設が最善の策だと主張する政府の言い分に理があると判断せざるを得ない。

八重山にとって、中国の脅威がこれだけ切迫しているのに、沖縄本島の住民がいかに呑気かをうかがわせる問題が起きている。那覇市が中国との交流のシンボルとして、公園に龍をかたどった巨大な柱「龍柱」を建設しているのだ。

龍柱の発案者は当時の那覇市長だった翁長雄志知事である。当初は2014年度中に完成する予定だったが、工期が遅れ、那覇市民の税金で新たに1億円余の追加負担が必要になった。しかも中国から輸入した資材にひびが入り、安全性が疑問視されている。

八重山でも似たような問題が起きた。竹富町西表島の中学校で校舎を新築したのだが、トイレの資材に使う御影石を中国から輸入した。ところが、御影石は現場に搬入されると同時に割れ、使い物にならなくなった。これが一因となって工期が遅れ、竹富町民の税金で、新たに1千万円余の追加負担を余儀なくされたのだ。

竹富町は八重山教科書問題で、育鵬社版の公民教科書採択を最後まで拒否したことで全国に名を上げた。育鵬社版は中国が大嫌いな教科書だが、中国のご機嫌ばかり取っていると、ろくなことはない、という実例である。


八重山の現実を直視せよ

冒頭に紹介した憲法記念日に話を戻そう。参加者が憲法9条を守れ」と声を張り上げていたまさにその日、尖閣周辺では中国公船「海警」が領海侵犯していた。

海警は中国政府上層部から直接指示を受けていると言われており、日本の憲法記念日を狙った示威行為である可能性も否定できない。憲法9条は中国の領海侵犯の前では無力だ、という現実が改めて浮き彫りになった。

「日本から戦争を仕掛けなければ平和は守られる」「尖閣問題は中国との話し合いで外交的に解決すればよい」と主張している人たちの悲鳴が聞こえてきそうだ。

県民、さらに日本国民はこうした状況を踏まえた上で、辺野古で展開されている抗議活動が果たして、沖縄や日本の平和にどれだけ貢献しているのか、むしろ県民や国民の平和を危険にさらしているのではないか、と自問自答してみることが必要だ。反基地派が「民意」をたてに横暴を繰り返すなら、それを押し返すことができるのも、また「民意」だけのはずだからだ。

(なかあらしろまこと)昭和48年、沖縄県石垣市生まれ。八重山日報編集長。琉球大学卒業後、平成11年、同社に入社。以来、八重山地区の政治、経済、社会問題を中心に取材。平成22年より現職。


 辺野古移設を進めて、日本と米国が協力して、尖閣・八重山を守るしかない。

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