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2015年6月17日水曜日

新国立競技場 工期綱渡り、ゼネコン焦り

 「あんなの、できるわけがない」「日本の施工技術なら可能だが、コストと工期が問題だ」

 平成24年秋、新国立競技場の設計案が決定となった直後、ゼネコン業界からは実現性をいぶかる声が次々と上がった。

 業界の懸念は、自転車選手のヘルメット状の開閉式屋根に集中した。屋根を支えるには2本の巨大アーチ(橋)を架けなければならない。長さ1本400メートル、鋼材使用量約2万トン。本来は建物向けの技術でなく、難工事は必至だ。「建築工事というより、難易度の高い大規模土木工事だ」。ある建築家は指摘する。

 当初案から規模は縮小し建設費も削減されたが、発表された競技場のデザインは「国際公約」でもあり、文部科学省などは開閉式屋根にこだわり続けている。

 建設費を“値引き”できないゼネコン側の事情もある。人手不足で労務費は上昇、資材価格も高騰している。かつてのゼネコンはランドマーク(象徴となる建物)建築の場合、実績作りのため採算度外視で受注する風潮があった。だが、厳しい経営環境の下、多くのゼネコンは「選別受注」にかじを切っている。

 しかも工事開始が遅れ、31年のラグビーW杯に間に合わせるには作業員を大量動員する突貫工事が必要。一段の建設費増大も予想される。「コスト増、設計変更のいずれかで妥協すれば前に進むのだが…」(大手関係者)。刻一刻と工期が短くなる中、ゼネコン側にも焦りが広がっている。
(産経新聞)

 どうして、予算も工期もかかるアーチ式に拘るのだろうか。

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