八戸市の小林眞市長が市長選の公約に掲げ、5月に整備方針を発表した「(仮称)八戸ブックセンター」。市内では取り扱いが少ないとされる専門書に特化した書店に、喫茶や雑貨屋、イベントスペースを併せ持つ施設で、小林市長は「市民の豊かな心を育み、中心街活性化にもつながる」と必要性を強調する。ただ、書店経営は一般的に民間事業。既存の書店とのすみ分けが可能かも含め、行政が公金を投じて取り組むことには賛否があり、開会中の市議会定例会でも議論を呼びそうだ。
「質の高い本がそろった場所は、都市の文化度を示すバロメーター。新たな本と出合う機会を創出し、文化の薫り高いまちを目指す」。センターの概要を発表した5月21日の定例会見で、小林市長は実現に意欲を見せた。
センターの整備は、小林市長が力を入れる「本のまち八戸」運動の一環。予定地は、民間企業が中心市街地の旧レック・旧マルマツ跡地に建設中の複合ビル内で、市が整備予定の「三日町にぎわい拠点」に隣接する。
当面は市が直営で運営し、雑誌や文庫本、漫画などは扱わないなど、既存の書店と差別化を図る方針だ。
しかし、同日の市議会総務協議会では、委員から「なぜ市が本を売る必要があるのか」「図書館を充実させる方法もあるのでは」などと、事業の必要性を疑問視する意見が出た。
市側は「良い本も手に取られなければ棚から消えてしまう。民間にできないサービスを市が提供する」「図書館は読みたい本を検索するには適しているが、新たな本と出合うきっかけは限られている」などと理解を求めた。
市が「複数の物件を検討した結果」と説明した整備場所に関しても、「賃料も決まっていない民間ビルが候補になるのはおかしい」「はっちの中でも事足りる」との批判が。
整備の意義や妥当性をめぐる議論は平行線をたどった。
一方、市内の書店は、施設が経営に与える影響を懸念する。伊吉書院西店の安保貴司店長は「すみ分けと言うが影響が全く出ないことはあり得ず、もろ手を挙げて賛成とは言えない」と複雑な心境を明かした。
センター構想に関して、弘前大学人文学部の児山正史准教授(行政学)は「通常は民間が行う事業なので、市は一般的な公共サービス以上に、合理的な説明をする必要がある」と強調。議論を深めるため▽本の販売冊数▽成人の読書時間▽中心市街地を訪れる人の増加数―などの具体的な目標値、他の候補地と比較したメリット、デメリットを提示する必要性を指摘した。
(デーリー東北新聞社)
市が本屋を運営することは、行政サービスでしょうか。喝でしょう。
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