衆院憲法審査会は2015年5月に改憲に向けた実質討議を開始。自民党は(1)大規模災害などに対応する緊急事態条項(2)環境権をはじめとする新しい人権(3)財政規律条項-の三つを優先的に議論するよう各党に提唱した。だが、同年6月に参考人招致した憲法学者全員が、集団的自衛権の行使を認める安全保障関連法を「憲法違反」と批判したのを機にペースダウン。同年9月を最後に衆院憲法審は開かれていない。
「憲法改正の必要性は国民のほとんどが認めているが、今すぐやらなければいけない問題か。『憲法だ、憲法だ』と言うことは得策ではない」。自民党の二階俊博総務会長は2日、訪問先のソウルで記者団に対し、同党が参院選を前に改憲姿勢を鮮明にすることに消極的な考えを示した。別の自民党幹部も「参院選の争点は景気・経済が一番だ。改憲が主要争点になることはあり得ない」との見方を示した。
こうした認識の背景には、憲法が争点になれば安保法反対で結束する野党側を勢いづかせるとの懸念がある。9条改正に否定的な公明党との選挙協力への悪影響も視野に入る。同党の山口那津男代表は2日、東京都内での演説で「改正をタブー視することはないが、何をどのように変えるべきかは、しっかりと時間をかけ、十分な議論が必要だ」と述べており、現状で与党側は論議促進の機運に乏しい。
一方、民進党は改憲について党所属議員の立場に幅があり、明確な方針を打ち出せないまま。3月の結党時に掲げた綱領では、旧民主党綱領の「未来志向の憲法を国民とともに構想する」との分かりにくい表現を踏襲、方向性は相変わらず曖昧だ。国会での改憲論議が進展すれば、選挙前に党内の溝を露呈しかねない。
◇対決姿勢は激化
ただ、参院選を見据え、憲法審を離れての与野党の舌戦は激しくなっている。
民進党は、野党共闘を進めるため、共産、社民両党など護憲勢力と共に首相主導の改憲への反対姿勢を明確化。岡田克也代表は2日、福岡市内で記者団に「立憲主義を理解しない首相の下での議論は、よほど気を付けないといけない」と指摘。「9条の改正、平和主義を変えることの是非を、ぜひ国民の皆さんに判断してもらいたい」とも語り、参院選で争点に据える考えを示した。
自民党は本来、「改憲では野党第1党を巻き込むべきだ」(幹部)として、旧民主党の協力を期待してきた。ただ、同党が安保法を「違憲」と断じ、態度を硬化させたことで、首相は民進党抜きの改憲を目指す方針。4月29日放送の民放番組では、同党を念頭に「思考停止している政治家、政党の皆さんに真剣に考えてもらいたい」と批判した。
(時事通信)
参院選では改憲が争点にならないようだ。
自民党、民進党内で、改憲派と護憲派に分かれているのはおもしろい。
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