プロ入り後、栗山監督が投手で成長しろ、野手で成長しろと口を酸っぱくして言っていたのは過去の話だ。今季、連続日本一を目指す上で、栗山監督は昨年以上に二刀流大谷を絶対的な投打の柱として期待を寄せている。デイリースポーツの取材の際、「打つのも投げるのも両方、翔平は必要なんだよね。両方でチームに貢献してくれなかったら優勝はないんだよね」とはっきりと言った。
投でも打でも上位クラスの成績を残すことを求める栗山監督。最近は大谷の成績の妄想を頭に巡らせるという。「1年間丸々、打者で打ったらどれくらい打つだろう。1年間、投げたらどれくらい勝つだろうって気になるんだ」。二刀流ながら昨年はあと3イニング投げれば、防御率のタイトルを獲得する可能性があった。チーム優先の起用で幻となったが、日本一になったことで救われた。だが、今年も温情はない。「タイトルじゃない。優勝なんだ」という。
連覇のために、チーム事情で大谷を臨機応変に起用する方針が色濃くなるとみる。隔月起用法を提案したら前向きだった。
「どれが一番、勝ちやすいか。チームのバランスにもよるじゃん。例えば、1カ月ピッチャーやった次の月は、体を休ませるために野手をやってとか。いろんなパターンが考えられる。難しいけどね。(隔月起用法は)もちろん、考えているよ」
本人の状態が良ければ、チーム事情でどちらに起用する方がチームにとって的確か。いわば二刀流は便利屋なのだ。
例えば先発候補にけが人がいなかった場合だ。日本ハムは豊富なコマがそろっている。有原、高梨、メンドーサ、加藤といった日本一に貢献した先発陣に加え、エスコバー、村田、斎藤佑と大谷抜きで開幕1カ月間、ローテを回す。大谷は打者として出場を続けても、相手チームに脅威を与えることができるはずだ。
栗山監督は言う。「チームの状況、体の状況、いろんな状況の中で何ができるか」。シーズン中、ローテに離脱者が出た場合、そこにスッと大谷を入れ、投手として働いてもらうこともできると考えての隔月起用法だろう。
昨季は右手中指マメの影響で投げられなかった時期は7月10日以降、先発復帰の9月7日まで、151打数47安打、打率・311、10本塁打だった。打者大谷が11・5差をひっくり返すうねりを作った。その間は投手として実戦を外し、投手調整を入念に行い、優勝を決めた9月28日・西武戦での1安打完封につなげた。先発から中0日とフル活動で負担をかけるより、それぞれに専念することで無理なく年間通して出場できる。
今年は右足首痛で投手としての調整は遅れることになる。それでも「打者は経験値を積んで、ある程度のものを持っている」(栗山監督)と右足首さえよくなれば即実戦OKのサインを出す。手順を踏んで投手の調整さえすれば、隔月二刀流は可能とみる。日本球界最後の年になるかもしれない今季は二刀流の動きに一層注目だ。
(デイリースポーツ)
隔月二刀流はおもしろい。
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