失意のどん底だった。大谷は「相当気持ちを入れて、(WBCで)優勝したいなと思ってやってきた。今は目標を見失っている段階。なかなか切り替えるのは難しい」と胸中を吐露した。
日本時間の3日、侍ジャパンの小久保監督と電話で話した。右足首の状態、練習の強度、回復の見込みについて現状を全て打ち明け、電話越しに「すみませんでした」と何度も頭を下げた。昨年10月の日本シリーズで走塁中に痛め、11月の侍ジャパンの強化試合で悪化させた右足首が回復せず、日本時間の1日に投手でのWBC出場を断念することを表明。打者としての出場を目指してきたが、正式に代表から外れることが通達された。「覚悟はしていたが、喪失感というか、本当に申し訳ないという感じ」。この日の会見中に発した「申し訳ない」という謝罪の言葉は7度だった。
WBCは「小さい頃から見てきた」という憧れの大会だった。13年の前回大会はプロ1年目のシーズン前。初の舞台でエース、さらに二刀流で打者としても期待され、世界一奪回にかける思いは強かった。だが、プロ入り後初めて大きなケガをして出られなくなった。そのショックは計り知れない。「現時点でどのくらいのタイミングで実戦復帰できそうか見えてこないので、モチベーションとしては難しい状況」。日本最速の165キロを誇る二刀流の怪物もまだ22歳。戸惑い、混乱するのも無理はなかった。
右足首の手術については「昨年の強化試合もない、(3月の)WBCもない状況なら、もしかしたら昨年の段階で(手術を)していたかもしれない」と話し、「現時点でどうなるかは(右足首の状態が)上向くか上向かないのか、それ次第」と続けた。今後も慎重に様子を見ながら調整していくが、開幕前に手術を決断する可能性もある。
栗山監督は帰国後の2軍調整を示唆し「向こう(日本)に行ったら、(中田ら)WBC組も合流するから気になるだろうしね」と気遣った。その大谷は別メニュー調整が続く中で「できる範囲の中でしっかりトレーニングをしたい」と前を向いた。(柳原 直之)
(スポニチアネックス)
手術をして今季を棒にふるか、投手封印・DHで試合出場かの選択だろう。
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