グラウンドでは決して弱気を見せない大谷もさすがに落胆の色を隠せなかった。右足首の三角骨の骨棘(こっきょく)の痛みの影響で先月31日に投手での出場を断念。現地時間の2日夜、小久保監督に電話で現状を報告し打者としても外れることが決まった。憧れの大舞台のために痛みを押して調整を続けてきた。
大谷「小さい頃から見てきましたし、ユニホームを着てプレーしたい気持ちはすごくあった。それは今でも変わらないですし、特別な大会だった。相当気持ちを入れて優勝したい思いでやってきた。今はちょっと目標を見失っている段階かなと思いますし、なかなか切り替えるのは難しい」
WBC出場が消え、これまで決してうつむかなかった男の衝撃的な告白だった。早ければ今オフにもメジャーに挑戦する。米国に渡れば、次回のWBC出場は難しい状況で、これが最初で最後の挑戦だったかもしれない。
大谷「(出場して)結果が出る出ないに関しては自分の実力、そういう悔しさは次につながると思いますけど、野球ができない、出場できないことに関しては悔しいよりも、期待に応えることができないことに関して申し訳ない方が強いです」
不参加が決まったことで投打で調整の時間的な余裕はできた。本来ならシーズン開幕へ向けて再始動するが、その青写真も描けないだけに喪失感は容易に埋まらない。
大谷「現時点でどのくらいで実戦に復帰できるのか、見えてこないので、モチベーションとしては難しい状況。開幕に向けてどれだけ上げていくかの見通しは自分でもわからない」
この日も完全別メニューで調整。ランニング、約90メートルの遠投、室内でのティー打撃と軽めの練習は今後も劇的に進化することはない。
栗山監督「迷惑をかけて申し訳ない。翔平が一番、苦しいと思う。どう無理しても、無理ということだった。今はどこに合わせるとか決めちゃいけない段階」
投手復帰プランも白紙だと強調した。開幕についても指揮官は「ゼロではないけど相当確率は低い。(近いうちに)スパイクで全力で走る姿は奇跡に近い」と復活登板へ先が長いことを示唆。一方で「打つ方は一気に上がるからわからない」と、今後は開幕DHの可能性を模索していく。
大谷は11日に帰国後も1軍・名護キャンプに帯同する見込みだが実質2軍扱いが続く。6日からの第2クールでスパイクを履いてメニューをこなすことがまず第1関門だ。「何とか強い強度でランニングできるのが最低条件。そこがないとゲームに出られない」と直近の目標に掲げた。しばし傷ついた心を休め、悲痛の時を糧とし大谷が一歩一歩再スタートを切っていく。
(スポーツ報知)
このまま痛みが治まらないと、手術による改善が必要だろう。
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