東京五輪・パラリンピックをめぐり、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長ら専門家有志による感染抑制に向けた提言案が17日、明らかになった。無観客での開催が最もリスクが低く、観客を入れる場合は通常のイベントより厳しい基準を適用するべきだとしている。尾身氏らは18日にも、政府と大会組織委員会に提出する。
五輪開催に伴う感染拡大を懸念する専門家らの「尾身提言」として注目されていた。提言案によると、主な開催地となる東京では、すでに人出が増加しており、7月には感染が再拡大する可能性を指摘。7月下旬から五輪に伴う人の移動と、感染力が強いとされるインド型(デルタ型)変異ウイルスの流行などで感染が全国に広がり、8月下旬には医療が逼迫(ひっぱく)するリスクが高いと危機感を示した。
開催方法については、無観客が最も感染リスクが低いと強調。観客を入れる場合の条件として、〈1〉通常のイベントより厳しい人数基準を適用する〈2〉観客を会場の地元住民に限定する〈3〉感染拡大の予兆があれば、五輪開催中でも、タイミングを逃さず緊急事態宣言発令や無観客などの強い対策を取る――などを求めた。
尾身氏らは「五輪開催の有無について判断・決定する立場にない」としながらも、大会規模や国民の注目度が別格であることから、「開催に伴うリスクの最小化に向けた考えを述べることが責務」としている。
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誰が、経済優先ではなく、人命優先での開催の有無や無観客を判断できるのか。
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