東京都で新型コロナウイルス感染再拡大の兆候が強まってきた。
「まん延防止等重点措置」を期限の来月11日で解除するシナリオは崩れつつあり、「月内の緊急事態宣言もあり得る」(政府関係者)との声すら上がる。無観客の東京五輪・パラリンピックも現実味を帯びる中、政府はワクチン接種を加速させるとともに、人出を抑える対策を強化し、状況悪化に歯止めをかけたい考えだ。
「まん延防止を11日にどうするか。より感染拡大の可能性があれば、緊急事態を再度発令することも念頭に置いている」。田村憲久厚生労働相は25日の記者会見で、感染状況次第で重点措置の延長にとどまらず、4度目の宣言発令の可能性に言及した。
都内の新規感染者数は26日、4日連続で前週の同じ曜日と比べて100人超増えた。人出の増加は20日までの宣言期間中も指摘されたが、内閣官房の資料によると6月以降、若者だけでなく、60代以上の高齢者にも上昇傾向が見られる。
繁華街などではさらに、政府が自粛を求める午後7時以降も酒類を提供する飲食店が徐々に拡大。7月には感染力の強いインド型変異株が国内で主流化するとの専門家の分析もある。
関係者によると、政府内のシミュレーションでは、五輪開幕直前の7月20日ごろに、都内の新規感染者数が1週間平均で700人程度に上昇。「まん延防止措置の継続でしのげれば御の字」(省庁幹部)という状況に陥る可能性もあるという。
東京都の感染再拡大は、五輪開催のあり方にも再考を迫りつつある。政府や都、大会組織委員会などは先に、観客数上限を「1万人」とする方針を決めたが、これは開幕までに重点措置が解除されていることが大前提だ。
菅義偉首相は、宣言が発令されれば「安全・安心のため無観客も辞さない」と明言するが、重点措置が続く場合の対応には踏み込まなかった。これには、関係閣僚から「重点措置を解除できなければ無観客にすべきだ」との声が漏れる。
一方、重症化しやすい高齢者の感染割合は低く抑えられており、政府は「ワクチン効果が出ているのか分析を進める」(西村康稔経済再生担当相)と期待を示す。重症患者の減少は医療機関の負担軽減にもつながるため、政府は7月末までに高齢者への2回接種完了を目指している。
これに対し、政府分科会の専門家メンバーは「高齢者施設などで接種が遅れているケースもあり、現時点でワクチン効果を見込むのは危険だ」と指摘。あくまで新規感染者数の推移を重視する考えを示す。
政府は週明け以降、都と連携し、飲食店での酒類提供の再停止などを含め、感染対策の強化を検討。来月8日にも重点措置解除の是非などを決定する方針だ。
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五輪という商業優先の興行に躍らないで、人命優先で無観客にすべきでしょう。
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