東京五輪・パラリンピックを前に、政府の新型コロナウイルス対策を助言する感染症専門家らが、観客を入れて開催すれば感染リスクが増大すると警告する内容の提言を検討していることが10日分かった。
来週半ばにも公表する意向だ。開催の是非には踏み込まない考え。政府や大会組織委員会は観客入りでの開催を目指しており、7月23日の五輪開幕を控え、大会観戦の在り方が焦点に浮上した。
新型コロナウイルス感染症対策分科会に参加する感染症専門家ら有志は、尾身茂会長を中心に、東京五輪開催に伴う感染拡大のリスク分析を進めている。
複数の関係者によると、有志の会は、五輪を開催した場合、参加選手、海外のスポンサーや報道関係者、国内での人出に関し、「有観客」「無観客」のそれぞれのケースで感染リスクを検討中。特に国内の人の流れについては、観客を入れて開催すれば全国的に人の移動を誘発し、感染対策への協力も得にくくなる可能性があるとみて、有観客では「国内の感染拡大リスクが高まる」と指摘する案が有力となっている。
提言について、専門家の一人は「無観客にすべきだと読み取れる内容にする」と明言。別の専門家も「野球やサッカーでも観客を入れているから大丈夫だと政府や組織委は考えているが、規模が全く違う。人流が活発になり感染『第5波』が起きてしまう」と強い懸念を示す。
また、8月8日までの五輪と同24日~9月5日のパラリンピック開催期間を含む今年夏の過ごし方について、東京都などとの往来を念頭に、感染状況が4段階で2番目に深刻なステージ3(感染急増)以上の都道府県との行き来を控えるよう、改めて国民に呼び掛けることも調整している。ただ、国論を二分する形になっている五輪開催の是非には提言では触れない方向だ。
政府や組織委は全国的に新規感染者数などが減少傾向にあることを踏まえ、「上限5000人」程度の観客を入れた大会を実現させたい考え。菅義偉首相は5月28日の記者会見で「緊急事態宣言下だが、野球やサッカーなど一定の水準で感染拡大防止措置をした上で行っていることも事実だ」と有観客に自信を示していた。月内にも観客の在り方を判断する方向だが、想定されるリスクが具体的に示されれば難しい対応を迫られそうだ。
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状況によっては、中止すべきだろう。
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