緊急事態宣言からまん延防止等重点措置への移行に伴い、焦点となっているのは、対象地域の飲食店での酒類提供を巡る対応だ。対応次第では反発も予想されるだけに、自治体はぎりぎりまで検討を続けている。
約12万もの飲食店がある東京都。都は酒類提供の可否について、17日時点で対応を決めていない。酒類提供は感染対策の急所である一方で、飲食店への経済的打撃が大きく、都庁内の議論も揺れているという。
都関係者によると、都が判断に慎重になっているのは、度重なる緊急事態宣言で疲弊している飲食店からの批判を懸念しているためだ。都は一時、国の方針よりも強い終日の提供自粛要請も検討したものの、幹部からは「都民の不満が高まる中で理解を得られるか」と慎重論も出た。
政府は感染防止対策などの条件をクリアした場合には午後7時まで提供を認める一方、知事判断で提供を制限することもできるとの方針も示した。ところが、国が条件の内容を示すのに時間がかかっており、都は今後の対応を決めるため17日夜に開催する予定だった対策本部会議を中止した。「対応を誤れば相当な批判が出る。国が示す条件を見てから対応した方がいい」(都幹部)。小池百合子知事は17日、報道陣の取材に「国の基本的対処方針の詳細に不明なところがあり、(判断は)18日に繰り延べさせていただく」と説明した。
大阪府も17日夕に飲食店などに求める新たな措置を決める方向で準備を進めていたが、18日に延期した。吉村洋文知事は17日の記者会見で「国の方針が固まらなければ決められない」と述べた。
府内では2回目の緊急事態宣言が2月28日をもって解除された後、4月中旬から5月上旬にかけて連日のように1日当たり1000人以上の新規感染者が確認され、医療崩壊を招いた。
吉村氏は宣言解除にあたり、会食での飛沫(ひまつ)感染防止を感染対策の核とし、基準を満たした店を府が認証する「第三者認証制度」を創設した。吉村氏は17日の会見でも「感染対策を徹底した店には提供を認めるのが筋だ」と述べ、酒類提供の緩和に前向きだ。府では、感染対策基準を満たしていると判断した約1万1000店には提供を許可できないか検討している。ただし、認証取得を酒類提供条件にできるかは、政府の方針が具体的に示されていないとして、判断できていない。
京都府の西脇隆俊知事は17日、報道陣に「酒類は一定の要件を満たせば午後7時まで提供を認めるとの政府方針だが、一定の要件の内容が分からず現在は決められない」と語った。
一方、兵庫県は17日、重点措置区域の飲食店では平日に限り午前11時から午後7時まで酒類提供を認めることを決めた。4人以内での利用など一定の基準を満たしたことが条件。愛知県や福岡県も同日、重点措置区域の飲食店に対し、一定の基準をクリアした場合は午後7時までの酒類提供を認めると明らかにした。【斎川瞳、石川将来、高井瞳】
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五輪優先で、リバウンド、医療崩壊させないためには、強い措置が必要だろう。そのためには、飲食店に十分な補償が必要。
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