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2015年6月11日木曜日

山田俊男 自民党 脱法パーティー:自民山田氏団体に補助金受給JA系5億円


 JA全中(全国農業協同組合中央会)出身の山田俊男参院議員(自民、比例)関連の政治4団体が6年間で計394回の政治資金パーティーを開き5億4293万円の収入を得ながら、8割に本人は出席せず、3分の2近くは東京都内のJAビル会議室で開いていたことが分かった。チケットは主に国の補助金を受けたJAグループの団体などが購入していた。政治資金規正法は補助金受給団体・企業の献金を原則的に禁じており、専門家は「規制のないパーティーを利用した事実上の献金で脱法的だ」と疑問視している。

 4団体は(1)山田氏が代表の政党支部「自民党10+件東京都参議院比例区第三十四支部」(2)規正法上の国会議員関係政治団体でJA全中の歴代会長が代表の「山田としお後援会」(3)参院選で山田氏を推薦した「全国農業者農政運動組織連盟(全国農政連)」(4)JA全中の元常務理事が代表を務める「フォーラム21」。フォーラム以外の3団体は、2007年参院選にグループ初の生え抜き候補としてJA全中専務理事だった山田氏の擁立が決まった06年に、フォーラムは08年に設立された。

 13年分まで公表されている政治資金収支報告書や政治団体幹部らによると、4団体がそろった08年から13年に各50〜85回、計394回開いたパーティーのうち山田氏が出席したのは主に都内のホテルで開く「山田としお君を励ます会」と、「セミナー」と称される朝の会合の計75回。全体の2割に満たず、「山田としお国政報告会」の名称で後援会が年6〜18回、計59回開いたパーティーにも原則出席していないという。

 また、約64%の251回は東京都千代田区のJAビル会議室で開かれ、その経費は室料や飲食代など1回数万円に対し、収入は100万円前後のことが多かった。チケット購入者はJA全中やJA全農(全国農業協同組合連合会)などグループの団体・企業で、パーティーは主にこうした団体の職員ら約20人が昼休みなどに会議室に集まり弁当を食べながら話し合う。個人の費用負担はない。

 参加者は重複することもあるため政治団体間で日程調整していたというが、開催が集中する時期には後援会が1日に2度、3団体が3日間で4回のパーティーを開くこともあった。また、13年7月の山田氏の参院選期間中にも行っていた。

 JA全中とJA全農はこの間、畑作農業対象助成金(約3億円)や農畜産支援事業(15億円余)など国の補助金を継続的に受けている。政治資金規正法は研究・調査目的など一部を除く補助金の受給団体・企業の献金10+件を禁じる一方、パーティーにはこうした規制がない。全国農政連の幹事長代理も務めた後援会と政党支部の会計責任者は「参議院の比例代表は選挙に億単位の金が必要。献金10+件を禁じられている以上、パーティーで集めるしかない。パーティーの形式には法律上の定義がなく、どんな形であれ違法ではない」と話した。

 フォーラムの代表は「きちんとした勉強会で法律上問題ない」と話し、JA全中と全農、全国農政連、山田氏の事務所はいずれも文書で「法令に従い適正に行っている」と回答した。【「政治とカネ」取材班】

 ◇山田氏の関連政治4団体が2008〜13年に開いたパーティー

団体    名称         回数 開催場所   収入

政党支部  食農政策シンポジウム 58回 JAビル  5024万円

後援会   山田としお国政報告会 59回 JAビル  4964万円

      地域農業政策セミナー 67回 主にホテル 8796万円

      山田としお君を励ます会 8回 主にホテル 9801万円

(※後援会は規正法で定める山田氏の「国会議員関係政治団体」)

全国農政連 農業復権研究会    67回 JAビル  7474万円

      農業政策研究会    35回 主にホテル 8440万円

 (※計1億5914万円の収入に対し政党支部へ1億583万円を寄付)

フォーラム 分権社会フォーラム  67回 JAビル  5564万円

      地球環境フォーラム  33回 主にホテル 4230万円

    (※計9794万円の収入に対し政党支部へ8544万円を寄付)

 ◇政治資金問題に詳しい岩井奉信日大教授(政治学)の話

 尋常ではないパーティーの開催数で、本人がこれほど出席しないのも異例だ。制度の不備をついた「抜け道」的な事実上の献金ではないか。パーティーを形式的に開いたことにすれば違法性を問われず、国の補助金を受けるJAグループにとっては苦肉の策かもしれない。諸外国ではパーティー券購入も献金として扱われており、日本も法改正などを通じ献金並みの位置付けに改めるべきだ。

 ◇献金並み規制が必要

 補助金受給企業・団体による不透明な政治資金の提供がまた明らかになった。2月には西川公也前農相に対する補助金受給企業や砂糖業界団体側からの献金問題が発覚し、西川氏は閣僚辞任に追い込まれている。

 JAグループの団体などは組織内候補支援のため、政治資金規正法に抵触しないよう献金ではなくパーティー券購入を選択した。JA全中は取材に「利益を伴わない補助金で献金10+件禁止の対象ではなく、献金を避ける意図はない」と説明するが、後援会と政党支部の会計責任者は「JAグループは補助金を受けているのでほとんど献金10+件できず、すれば罰せられる」と明言。実際、JA全中などから山田氏の関連政治4団体への献金の記載は政治資金収支報告書にはない。

 パーティーの「利点」は他にもある。1企業・団体の年間献金総額には上限があるが、パーティー券は1回当たり150万円以下と定めるだけで、回数を増やせばいくらでも資金提供が可能だ。公表基準も献金10+件は5万円超、パーティーは20万円超と匿名性も高い。4団体がそろう前の2007年はJA全中などから40回以上のパーティー券購入が政治資金収支報告書で確認できるが、13年には8回しか記載がなく、小口に分散したとみられる。

 会計責任者は「多額のパーティー券購入は農家らの反発を招き、各団体とも名前を公表されたくないのが本音」とも話す。専門家が懸念する「抜け道」を防ぐため、パーティーにも献金並みの規制や情報開示が求められる。【杉本修作】
(毎日新聞)

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