【シンガポール=竹内誠一郎、向井ゆう子】中国軍の孫建国副総参謀長は31日にアジア安全保障会議で行った講演で、南シナ海での岩礁埋め立てを巡る日米からの非難を相手にしない中国の姿勢を改めて鮮明にした。
習近平シージンピン政権は東南アジア諸国連合(ASEAN)も含めた「中国包囲網」ができない現状を見透かし、南シナ海での実効支配の既成事実化を加速させる構えだ。
会場に、中国代表団長として講演に立った孫氏の「ドス」の利いた声が響き渡った。「信じるも信じないも(我々の)行動を見てほしい」
孫氏は、原子力潜水艦「長征3号」の艦長として航行時間の最長記録を持ち、「鉄の艦長」との異名も取る中国軍内の伝説的存在。中国国防大学教授は、中国軍が海軍で尊敬を集める孫氏を今回の会議に送り込んだことに、「中国が南シナ海で妥協をしない意思の表れ」と解説する。
孫氏は3日間の会議期間中、ASEAN加盟国を含む13か国・組織の代表と会談し、「中国の立場を説いて回った」(中国同行筋)。その結果、最終日には、「中国の政策主張を理解し、支持する」(インドネシア国防相)、「『行動を見てほしい』という約束の実行に期待する」(シンガポール国防相)などと、参加国から積極的に評価する言質を引き出した。
中国はこうした発言に自信を深め、「米国は強硬手段に踏み切れない。粛々と埋め立てを進めるだけ」(軍関係筋)と今後も強気の姿勢を崩す気配はない。
(読売新聞)
粛々と埋め立てを進めるだけで、誰も止められない。
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