西横綱・白鵬が因縁の対決でまた奇策を出した。先場所に横綱が猫だましを繰り出して物議を醸した相手、東関脇・栃煌山を上手出し投げで下した。立ち合い、右手で視界を遮る“目くらまし作戦”の奇襲に、館内はブーイングの嵐。全勝は白鵬と東大関・琴奨菊、1敗で東横綱・日馬富士が追う。
「猫だまし」の次は“目くらまし”だ。熱戦への期待が高まる中、白鵬が立ってすぐに栃煌山の目を覆うように右手を出した。思わず目をつむった栃煌山をあざ笑うように、左へ身をかわす。最後は左上手出し投げで転がした。0秒9のあっけない勝負に、観衆からは「モンゴルに帰れ!」などの怒号が飛んだ。
白鵬は涼しい顔だった。「手を出した瞬間に勝負あった。(勝負がこれで決まるとは)思っていなかった。手で支えて、その後だから。変化じゃない」と身ぶり手ぶりを交えて解説。館内の不満については「そうなってしまった。申し訳ない。取り直しはできないですからね」と弁明した。
白鵬は昨年九州場所の栃煌山戦で猫だましを繰り出し、横綱として前代未聞の奇策が物議を醸した。因縁の相手に再び奇襲作戦に出た。朝稽古後には「勝ち越したんで楽しみますよ」と予言?していた。八艘(はっそう)跳びを出すのか?と聞かれると「どっちに飛ぼうか」と冗談を飛ばし、栃煌山を「力はあるが、もろいところもある」と指摘していた。取組後には「頭を使わなきゃね。力比べじゃないんだから」と“上から目線”で論評した。
八角理事長(元横綱・北勝海)は「栃煌山の立ち合いが嫌なのかな」と首をかしげた。正面の藤島審判長(元大関・武双山)は「逆に栃煌山に余裕がなさ過ぎる」と厳しかった。栃煌山に糧にしてほしいからこその相撲か?と聞かれた白鵬は「いい質問をしてくれたね。その通り」と不敵に笑った。2016年も“白鵬劇場”は土俵を沸かせそうだ。(三須 慶太)
(スポーツ報知)
モンゴルに帰れは、つまらない相撲を見たファンの悲痛な思いだろう。
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