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2016年1月24日日曜日

台湾、国民党の巨額資産にメス 日本統治時代の財産接収で築いた「党産」 民進党が透明化迫る

 台湾総統選と同時に投開票された16日の立法委員(国会議員)選で、初めて過半数を制した民主進歩党(民進党)は2月に始まる立法院(国会)で、かつて「世界一の金持ち政党」と呼ばれた国民党の資産(党産)問題に切り込む新法制定を目指す。日本統治時代の日本人の財産を接収するなどして築かれた党産に「不正取得が含まれている」と考えているからだ。資金力を誇ってきた国民党は「力の源泉」を維持できるかどうかの正念場を迎える。

 一時は資産規模2兆円超
 国民党は共産党との内戦に敗れ、1949年に台湾に渡って以来、台湾で半世紀にわたり一党支配を続けた。この間、日本統治時代に日本人が現地で築き、敗戦により放棄した不動産などの財産を無料、あるいは格安で次々と手に入れて資産を増やしたとされる。
 金融、建設などさまざまな分野の民間企業に投資する大規模な「党営事業」も展開。この「政権党ビジネス」によって、一時は資産規模6千億台湾元(2兆円超)とまで言われた。

 党産問題の解決は民進党の「宿願」だった。
 台湾では80年代後半から民主化が進み、民進党は陳水扁政権(2000~08年)で初めて政権を奪取。党産を返還させる特別法の成立などを目指した。しかし当時は立法院では少数与党で、多数派の国民党などの反対で法整備はほとんど実現しなかった。
 16日の総統選で圧勝した民進党の蔡英文主席は「党産は台湾の政党間の競争を不公平にしている」と主張。政党の営利事業を禁じる政党法の立法化などを目指す考えを明らかにしている。
不正か、合法か
 一方、国民党はかつて「不正取得」と名指しされた物件を含む土地・建物計267件をすでに自主的に返還し、資産整理は完了したと15年8月に宣言。党営事業も民間に信託して事業経営からは手を引いたとして「残る資産はすべて合法」と反論している。
 15年末現在の党資産総額は約220億台湾元(約770億円)。ただし、信託化された党営事業の収益は14年でも10億2千万台湾元に上り、事業の収益が党に還流する仕組み自体は変わっていない。
 国民党は14年の地方選に続き、今回の立法委員選でも現有64議席を35に減らす惨敗で、中央・地方の権力基盤を一気に失った。党関係者は「党産が切り崩されれば、潤沢だった選挙資金も減る。利益で結びついていた党員が離れ、再起はますます難しくなる」と話している。
(西日本新聞)
 800億円弱の党資産はおもしろい。

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