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2016年6月22日水曜日

<プロ野球交流戦>「人気のセ、実力のパ」より現実に

 プロ野球の「日本生命セ・パ交流戦」は20日、パ・リーグの7年連続11回目の勝ち越しで幕を閉じた。パは60勝47敗1分けで勝率5割6分1厘。2005年から始まった交流戦で最高勝率だった昨季の5割8分1厘には及ばなかったが、2年連続6回目の最高勝率球団となったソフトバンクを筆頭に、上位6球団中5チームがパ。両リーグが切磋琢磨(せっさたくま)し、球界を盛り上げる「イベント」とは言えない状況が続いている。

 オリックスと近鉄の合併に端を発した2004年の球界再編問題が、交流戦開始のきっかけ。当初は1カードにつき、それぞれの本拠地で各3試合(計6試合)を行う36試合制だったが、07年には過密日程を避けるなどの目的で1カード4の24試合制に減った。さらに日程編成上の都合から、昨季からは1カード3試合をどちらか一方の本拠地で行う18試合制に変更。12球団で優勝を争う形ではなく、両リーグの対抗戦方式になった。

 パの強さの理由に挙げられるのが、最速163キロの大谷(日本ハム)を筆頭に、則本(楽天)、菊池(西武)ら球威のある本格派投手が多いことだ。セは緩急を生かした投球が主流で、今季からDeNAを指揮するラミレス監督は「(パには)パワーピッチャーがいて、打者は慣れている。(セの)投手の球が簡単に感じて打たれている」と見る。

 交流戦の勝敗は、両リーグのペナントレースの一環に組み込まれている。開幕から2カ月ほどたった時期に、新鮮なカードとなる交流戦での戦いが、両リーグの順位変動に結び付くような「波乱」もファンは期待する。

 だが、今季の場合は、セは交流戦前に2~5位を1ゲーム差で争っていた中日、阪神、DeNA、巨人が、交流戦後も2ゲーム差内にひしめき合ったまま。しかも、首位・広島を除く5球団が「借金」を抱える。逆に大半のチームが順調に「貯金」を増やしたパは、オリックスと楽天の5、6位が入れ替わっただけに終わった。

 これでは面白みに欠けるし、交流戦の意義そのものも問われかねない。05年以降の11年間は、日本シリーズもパが8回制覇している。古くから言われてきた「人気のセ、実力のパ」が、より現実のものとなっている今、来季こそは、セの奮起に期待したい。【藤田健志】
(毎日新聞)

 投手力の差だろうか。

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