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2016年8月13日土曜日

<政活費>都議会自民、研究会に充当 年1000万円

 東京都議会自民党が業界団体との交流名目で設置し、会計報告が対外的に公表されていない研究会の会費の8割に、税金を原資とする政務活動費(政活費)が充てられていたことが分かった。複数の自民都議は実態がほとんどない研究会もあると指摘しており、年約1000万円の政活費の使途が事実上不明となっている。

 会費は自民に現金で集まる仕組みとなっており、都議からも「一部の議員しか使途が分からないブラックボックス」と批判の声が出ている。

 今月公開された2015年度の政活費の収支報告書や領収書の写しによると、自民が運営し、会費が発生する研究会は10団体前後あり、全所属議員56人(当時)が参加している。

 15年度の会費の目安は1人月1万5500~2万500円。関係者によると、都議会局が自民の指示を受けて各都議の歳費から会費を天引きしたうえで、現金化して自民側に渡していた。

 8割の自民都議は、いったん支払った会費を政活費で穴埋めしており、同年度は全研究会の会費約1200万円のうち、約1000万円が税金で賄われていたとみられる。都議会関係者によると、こうした研究会は十数年前からあるが、会計報告は都議会局に届けていない。

 毎日新聞は自民に研究会の活動内容や会計報告の開示を求めたが、担当者は幹部の交代などを理由に「今の時点では答えられない」としている。【杉本修作、山本将克】

 ◇「金掛かる活動せず」都議ら

 研究会の活動実態について取材に応じた複数の都議や業界関係者は「金が掛かるような活動はしていないはずだ」と口をそろえた。

 関係者によると、宇田川聡史前都議会自民党幹事長が会長、内田茂前都連幹事長が顧問を務める「中小企業団体振興政策研究会」は、都内の中小企業が加盟する「都中小企業団体中央会」から予算要望を聞いたり意見交換したりするのが主な活動で、全自民都議が月5000円の会費を払っている。しかし、ある都議は「最近は動いていない」と首をかしげ、中央会幹部も「(会合費を)こちらが持つことはあっても、研究会に負担を求めることはない」と断言した。

 同じく会費5000円の「動物医療政策研究会」も都獣医師会との交流などを目的としている。「動物園に視察に行ったこともある」と説明する都議もいたが、獣医師会幹部は「年に1回、都庁で要望を伝えるくらい。自民党さんは視察に誘っても来ないし、動物医療のことはあまり分かっていないのでは」と指摘した。

 都議の1人は「会費が何に使われ、いくらプールされているのか見えない。本当は払いたくないが(幹部には)とても言えない」と打ち明けた。【杉本修作、山本将克】

 ◇使途公開すべきだ

 全国市民オンブズマン連絡会議の光成卓明弁護士の話 議員連盟や研究会などの会費を政活費から支出している例は他にもあり、高額なケースでは「使途が不明だ」として訴訟になっている自治体もある。会派の全議員が10前後の議連に参加する例は珍しく、議会事務局が現金をまとめて会派に渡すのも聞いたことがない。制度を骨抜きにしかねない支出で、自民党都議団は使途を公開すべきだ。
(毎日新聞)

 舛添の次は、都議会自民党だろう。

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