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2016年8月24日水曜日

命懸けの抗議、共感広がる=民族弾圧訴えた五輪銀メダリスト―エチオピア

 リオデジャネイロ五輪の男子マラソンで、出身民族を弾圧する母国エチオピアの政府への抗議を表現したポーズを掲げながら2位でゴールしたフェイサ・リレサ選手(26)に対し、世界中で共感が広がっている。

 銀メダリストの英雄も、祖国に帰れば「殺されるか、投獄されるかもしれない」と恐れ、凱旋(がいせん)帰国もままならない。他国への亡命を検討するリレサ選手の支援を呼び掛けるインターネットのサイトには、23日正午(日本時間)時点で約7万7000ドル(約770万円)の資金が集まり、今も増え続けている。

 エチオピアでは昨年来、最大民族オロモ人が伝統的に支配するオロミア州で、政府が土地収用を発表したのを契機に抗議行動が激化。人権団体の推計では、平和的なデモにもかかわらず、これまでに市民500人以上が治安部隊に殺害されたとされる。自身もオロモ人のリレサ選手は21日のレース後、「エチオピア政府は私の民族を殺している。親族も投獄された。私はどこにいようと、抗議を支持している」などと訴えていた。

 リレサ選手がゴールで掲げたのは、頭上で両手を交差するバツ印。オロミア州などでの抗議の際にデモ隊が示すしぐさだという。この行動には「五輪での政治的、民族的な宣伝活動の禁止」を定めた五輪憲章50条に反すると批判もある一方、「声なき人々にとって誇り」「類いまれな勇敢な行為」とたたえる声も上がった。

 リレサ選手と家族を窮状から救おうと、共感した支援者がネットで不特定多数から資金を募る「クラウドファンディング」のサイトを開設。当初目指した1万ドル(約100万円)はわずか1時間で到達し、その後引き上げた目標額2万5000ドル(約250万円)も数時間で達成した。

 エチオピアの政府報道官は22日、「五輪で政治的な立場を示すのはあり得ないことだが、帰国すれば歓迎を受けるだろう」と述べ、リレサ選手に危害が加わることはないと強調した。ただ、エチオピア政府は、オロモ人のデモ鎮圧への批判は許さない。英BBC放送によれば、エチオピアの国営メディアはリレサ選手がゴールした際の写真は報じていないという。
(時事通信)

 民族間の争いか。

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