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2016年8月27日土曜日

関係者が歯ぎしり…早実・清宮がU18日本代表に漏れた真相

「清宮がいればなぁ」

 ある放送関係者がため息をついた。台湾で行われるU-18アジア選手権(8月30日~9月4日)に出場する高校日本代表が25日、練習試合で1、2年生主体の早大を5-4で下した。

 つい先日まで、甲子園を沸かせていた球児たちが躍動した。初回、4番の九鬼隆平捕手(熊本・秀岳館)が木製バットで3ランを放てば、投げては先発の左腕・寺島成輝投手(大阪・履正社)が3回を3安打2失点に。今年のドラフトで上位指名が確実な高校生たちの活躍で大学生相手に幸先の良いスタートを切ったものの、前出の関係者はU-18のメンバーに2年生の清宮幸太郎内野手(西東京・早実)がいれば、いま以上に盛り上がったと言うのだ。アマチュア野球担当者がこう言った。

「27日に行われる大学日本代表との壮行試合はフジ、30日からの本大会はTBSが中継する予定ですけど、ともに清宮の代表メンバー入りを期待していた。清宮が代表に名を連ねれば、視聴率はもちろん、スポンサーの食い付きだって変わってきますからね。わざわざ早実関係者を使って、清宮を代表メンバーにねじ込もうとしたところもあったくらいです」

■壮行試合のチケット

 清宮の「選考漏れ」にじだんだを踏んでいるのはテレビ局や代理店関係者に限らない。U-18を管轄する「侍ジャパン」、つまりNPBエンタープライズにとってもダメージだという。

「QVCマリンフィールドで行われる大学日本代表との壮行試合は有料です。チケットの売れ行きは好調で、3500円のネット裏の特別内野指定席をはじめ指定席はほとんど完売。残っているのは2階の内野自由席と外野自由席くらいですけど、清宮が出ればいま以上に売れたでしょうからね」(マスコミ関係者)

 清宮は昨夏、早実の中軸として甲子園4強入りに貢献。1年生ながらU-18の日本代表メンバーに選ばれ、大阪のW杯では4番も務めた。スポーツマスコミは連日、大々的に清宮を取り上げ、しばらくの間、「清宮フィーバー」が続いた。

 それが今年は代表から外れた。甲子園に出られなかった選手も選出されているから、早実が西東京大会の準々決勝で敗れたことは理由にならない。

 2年生の清宮は早実の新チームの主将に選ばれた。アジア選手権の大会期間中の9月3日には来春センバツの出場権をかけた秋季都大会の予選がスタートする。高野連が事情を考慮してあえて選考から外したとか、早実の和泉監督が新主将の代表入りに反対したともいわれる。

■「野手は走力があること」

 しかし、落選の理由は早実の事情だけか。

 今年のU-18の指揮を執る拓大紅陵(千葉)元監督の小枝守監督は選手の選考基準に関して、千葉大会のテレビ解説をしているころから「野手は走力があること」と話していた。水物の打撃より、計算の立つ守備や走塁を優先したいということだろう。

 まして今回、代表に選んだ外野手は2人だけだ。打力を備えた投手を、外野手としても使うつもりだから、選手のポジションは流動的。より、小回りのきく選手が必要になる。

 そこへいくと清宮の走力は並だし、守備は一塁しかできない。代表監督にとっては、使い勝手の悪い選手と言わざるを得ない。

 今年のアジア選手権は、来年のW杯に直結している。3位以内に入らなければ、出場権を得られない。今回は結果を残すことが義務付けられているのだ。

「要は清宮が、日本代表の戦力として何が何でも欠かせない選手ではないと判断された」とは前出のマスコミ関係者。今回はカネ儲けより何より勝利優先。だからこそ清宮は代表から漏れたというのだ。
(日刊ゲンダイDIGITAL)

 集客力があり、話題性がある清宮を入れるべきだろう。

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