東証1部上場の自動車用エンジン部品製造大手「TPR」(東京都千代田区)が東京国税局の税務調査を受け、吸収合併した連結子会社から引き継いだ赤字を損金算入したことが租税回避に当たるとして、申告漏れを指摘されていたことが関係者への取材で分かった。追徴課税額は過少申告加算税と地方税を合わせて計約5億円とみられる。
TPRは2014年3月期までの5年間について税務調査を受けた。TPRは納税を済ませた上、処分を不服として国税不服審判所に異議を申し立てたという。関係者によると、TPRは子会社だったアルミホイール製造の「テーピアルテック」(岡山県津山市)を10年3月に「アルミ商品事業の強化とグループ経営の効率化」を目的に吸収合併した後、テーピ社が抱えていた繰越欠損金約12億円を2年間にわたり損金に算入し、利益と相殺していた。
一方で吸収合併直前の10年2月、欠損金を切り離す形で同じ名前の子会社を新たに設立した。その子会社の社名を「TPRアルテック」に変更し、本店所在地も、合併によって解散したテーピ社があった場所に移した。TPRアルテック社は社屋や設備などをTPRから借りて、テーピ社の事業を継続した。
こうした一連の経緯について、東京国税局は「企業再編の実態を伴っておらず、納税額を不当に圧縮させるのが目的だった」などと判断したとみられる。
企業再編の際は企業側が国税当局に税制上の問題が生じないかどうか事前照会するケースが多いが、TPRは照会していなかったとみられる。TPR側は取材に対し「租税回避の意図はない」としている。【松浦吉剛】
(毎日新聞)
企業編成の実態がないことが問題だろう。
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