政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は4日、東京五輪・パラリンピックでの感染対策について、専門家による提言を独自にまとめる考えを示した。尾身氏は対策の不十分さに繰り返し懸念を示しており、政府は開催への否定的な声を喚起しかねないと対応に苦慮している。
「感染リスクについて近々、関係者に考えを示したい」
尾身氏は4日の衆院厚生労働委員会で、政府や大会関係者らに提言を出す考えがあることを明らかにした。
尾身氏は2日の同委員会で「今の状況で(五輪を)やるのは、普通はない」と述べて以降、国会で連日、五輪開催時の感染拡大に警鐘を鳴らしている。観客の移動などで人の流れが生まれるほか、海外から多くの報道関係者やスポンサー関係者らの来日が見込まれるためで、規模縮小や対策の徹底が必要だと訴えている。
政府や大会組織委員会は、会場の観客数上限を6月下旬にも決める。尾身氏としては決定に先立って提言をまとめることで、対策に反映してもらいたい考えだ。
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