プロ野球の春季キャンプ有観客開催実施に際し、状況がさらに悪化した。沖縄県は6日、一日の感染者数が過去最多の981人だったと発表。今月1日の52人から20倍近くになり、爆発的な感染拡大は収まる気配がない。同県内ではプロ野球9球団がキャンプを行う予定。12球団は昨年12月の時点で有観客での開催を確認したが、感染拡大が続けば2年連続の無観客開催が現実味を帯びてくる。
2月1日の春季キャンプインまで26日。球春到来を目前に、セ、パ9球団がキャンプを張る沖縄県の感染状況は悪化の一途をたどっている。2年ぶりにスタンドにファンを入れるのか、昨年に続く無観客か――。コロナ禍にプロ野球界も翻弄(ほんろう)されている。
沖縄県は、この日の感染者数が981人だったと発表。昨年8月25日の809人を大幅に上回り、過去最多を更新した。元日の52人から1週間もたたず20倍近くに急拡大。北谷町などでキャンプを行う中日・加藤宏幸球団代表は名古屋市内で取材に応じ「今のまま増えると(観客ありでは)できない恐れがある。我々も有観客でやりたいが状況が許すか許さないか。県(の方針)が無観客となれば当然、北谷も無観客になる」と危機感を口にした。
12球団は昨年12月、沖縄、宮崎、高知の3県での春季キャンプでの観客受け入れを確認。開催地の自治体と連携しながら、ガイドライン策定などの準備を進めている。前日にも斉藤惇コミッショナーが「できるだけお客さんに無制限で入っていただいて、粛々と開催させていただけたら」と有観客での開催に意欲を示した。しかし、沖縄県では9日から「まん延防止等重点措置」が適用される見通し。さらに感染者が増え「緊急事態宣言」の発令となれば、有観客キャンプ開催は極めて難しくなる。
キャンプ中に選手や関係者が感染するリスクもある。阪神のドラフト5位・岡留(亜大)は地元の沖縄県に帰省した際に新型コロナウイルスに感染し、この日の入寮を見送った。現在は沖縄県内で自宅隔離。4日に発熱し、5日に県内の病院で検査を受けた。既に熱は下がったが、鼻水と軽度のせきの症状があるという。
プロ野球では11日にJリーグと合同の新型コロナウイルス対策連絡会議を実施。そこで専門家の意見を聞き、同日の12球団代表者会議でキャンプについて協議する。「“まん延防止”の期限が(今月の)31日まで。あまりギリギリまで待つと、お客さんを入れる時に態勢を整えないといけないので、早く決断をしないといけない」と加藤代表。残された時間は決して多くはない。
≪Jクラブも困惑≫オミクロン株の急拡大に、沖縄県でキャンプを予定している複数のJ1クラブが困惑している。来場者のワクチン接種などの条件を設けた上でファンサービスや練習公開を計画していたが、あるクラブ関係者は「自治体の意向もある。今後、検討しないと」と再考を示唆した。J2仙台は10日から23日までの糸満市キャンプを非公開とし、ファン対応も中止して外部との接触を断つ。広報担当は「より一層気をつけないといけない。われわれが感染を持ち込まないようにも留意する」と話した。
▽昨春の無観客キャンプ 1月14日にロッテが石垣市と協議の末、無観客での実施を発表。15日には宮崎県をキャンプ地とする6球団、19日には全12球団のキャンプ地で無観客での実施が決まった。2月中に沖縄で開催予定だったオープン戦は全て練習試合に変更され、オープン戦は1週間遅れで開幕。昨年初の有観客試合として上限3000人で2月27日に高知・春野で開催された西武―ロッテの練習試合には、2059人のファンが詰めかけた。
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沖縄に行きたいけど難しいし、無観客も仕方がないでしょう。
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