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【ニューヨーク=寺口亮一】米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使は12日、安全保障理事会で常任理事国が拒否権を行使した場合は、国連総会を自動的に招集することを義務付ける総会決議案を準備していると発表した。拒否権行使について総会で説明を求め、ロシアや中国を念頭に乱用の抑止を図る。来週にも正式提案する。
同大使は12日の声明で「常任理事国は拒否権を行使する場合、その決議が平和と安全の維持を促進しないと考えた理由を説明すべきだ」と強調。ウクライナ侵攻を非難する安保理決議案などロシアが拒否権を行使した事例を列挙し「特権の乱用」だと非難した。
決議案はリヒテンシュタインなどが主導し、現時点で米国など38か国が共同提案国に名を連ねている。総会議長は拒否権発動から10日以内に総会会合を招集し、安保理は、総会会合の72時間前までに拒否権行使に関する報告書を提出するよう求める内容だ。
常任理事国の拒否権を巡っては、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が5日の安保理会合で、安保理がロシアの拒否権により機能していないと批判し、改革を訴えていた。
拒否権の制限には国連憲章の改正が必要で、加盟国の3分の2以上が賛成し、全常任理事国を含む3分の2以上の国で批准されることが条件となる。今回の決議案は憲章の改正には踏み込まず、常任理事国に全加盟国が参加する総会での説明責任を設けることで「拒否権行使に重みを加え、乱用を抑える」(国連外交筋)狙いだ。
ただ、拒否権行使そのものを縛るものではない。「常任理事国は必要と判断すれば、拒否権を発動する」(別の国連外交筋)と、機能不全に対する効果を疑問視する声も出ている。
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戦争、紛争当事者のロシアが拒否権を行使することが問題でしょう。総会で説明を求めても、うそ八百の説明をするだけでしょう。
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