◇パ・リーグ 日本ハム2―0楽天(2022年4月19日 楽天生命)
9個の「0」が並んだスコアボードを背に、日本ハム・新庄監督が足軽にベンチ裏へと戻った。先発の加藤が、わずか90球の完封劇で今季初の3連勝。100球未満での完封をメジャーでは「マダックス」と呼ぶが、報道陣の前に現れた指揮官は開口一番「“カドックス”。安心感ばりばりありました」と、立役者の左腕をそう命名した。
名前に劣らぬ快投だった。最速は140キロ前後だが、90キロ台のカーブを織り交ぜ7回まで1安打。8回に2死一、三塁のピンチを背負うも得点は許さず、指揮官は「何が良いってあのカーブ。打てる気がして手を出したらゴロってパターン。まさにカドックス」。由来となったメジャー通算355勝右腕を引き合いに絶賛した。
采配も的中した。左打者が多い楽天打線とあり、新庄監督は打球が多く飛ぶ二塁手を「メンディ(アルカンタラ)か石井君かで迷ってね」。起用した石井が初回2死からダイビングキャッチ。2回には、中前に抜けそうな打球を二ゴロに抑えるなど采配が光り「ころころオーダー変えてはまってるでしょ。やりたかったのはこれ」と自賛した。
今季は開幕5連敗スタート。毎日先発オーダーを組み替えて選手の適性を見極めてきたが、負けが続くと批判的な意見も多く見られた。「勝ち続けたら何も言われない。負け続けたら言われる世界だから」と指揮官。限られた戦力からの最下位脱出へ、ようやく新庄采配がかみ合ってきた。(清藤 駿太)
《90球で9年ぶり》加藤(日)が90球で9回完封勝利をマーク。日本ハムの100球未満の完封勝利は13年6月13日阪神戦で木佐貫洋が91球で2安打完封して以来9年ぶりとなった。
▽マダックス 大リーグで100球未満での完封を意味する。86~08年にブレーブスなどで活躍したグレグ・マダックスは、通算35完封のうち13度を100球未満で達成。抜群の制球力は「精密機械」と呼ばれ、通算355勝、サイ・ヤング賞4度、最多勝利3度、最優秀防御率4度。14年殿堂入り。今季は16日にDeNAの上茶谷が、ヤクルト戦で91球完封勝利した。
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加藤の快投-90球完封-はお見事です。完全試合と同じくらい価値があると思いますが、話題がマー君と監督はとても残念です。
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