ロシアのウクライナ軍事侵攻が5カ月目に突入した。
「自由と民主主義を守る戦い」という側面からウクライナに強い共感を抱き、結束して支えてきた欧州だが、戦争長期化に伴い「支援疲れ」が広がり始めている。侵攻当初と比べウクライナへの関心は薄まり、並行して進む物価高への不満が高まっている。世論の動き次第では、今後の支援態勢に影響が生じる恐れもある。
◇報道減る
2月、欧州の一角であるウクライナで始まった「主権国家に対する侵略戦争」は欧州市民に大きな衝撃を与えた。欧州各国で寄付や難民支援などの活動が一斉に広まった。
当初の関心が高かった背景には「欧州人」として民主主義国の同胞を助けようという団結意識があった。英国でも連日、ニュースがウクライナ情勢一色となり、議会でも支援に議論が集中した。
しかし、戦争が予想以上に長期化する中、ウクライナ問題は人々の「主要な関心事」から外れつつある。話題は内政や生活に直結した問題が中心となり、戦争関連報道も減った。物価や燃料高騰に直面し、市民の多くは日々の生活に必死で、他国での戦争に深く注意を払う余裕がない。
◇微妙な受け止め方
欧州のシンクタンク「欧州外交評議会(ECFR)」が最近発表した、欧州連合(EU)加盟9カ国と英国の8000人を対象とした調査結果は、欧州人の微妙な受け止め方を反映している。自国のウクライナ支援が「過多」で、内政問題がおろそかにされていると答えた人は42%。「過多ではない」(40%)を上回った。
こうした「内向き志向」がさらに強まれば、各国政府のウクライナ対応も見直しを迫られそうだ。今月中旬、ウクライナ訪問から帰国したジョンソン英首相は「世界中でウクライナ疲れが起き始めていることが心配だ」と懸念を表明した。
フランスの国際関係戦略研究所(IRIS)のドグリニアスティ研究員は仏紙フィガロに対し、「紛争当初の大規模な作戦は連日メディアに取り上げられたが、現在の消耗戦はそうではない」と指摘した。関心が低下した要因として「現場の変化が見えにくい長い戦争に突入している」点を挙げている。
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ウクライナ疲れで、ロシアの残虐行為への人々の無関心が一番怖い。
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