内閣の支持率がさらに低迷する中、岸田文雄首相がニューヨークでの国連総会に出席するため20日、出国した。本来は19日に出発する予定だったが、台風14号への対応を理由に延期。「現場を混乱させる無意味なパフォーマンス」(立憲民主党幹部)との野党からの批判にとどまらず、事務方からも“朝令暮改”への不満が漏れた。政府与党内には「このままではジリ貧」(自民の閣僚経験者)との危機感が漂い始めている。 岸田内閣では、支持率が低下するたびに善後策の検討に走るのだが、「そもそもが安倍晋三元首相の国葬などへの岸田総理の優柔不断が原因」(内閣府スタッフ)。そして、そのたびに降りかかるのが居酒屋の注文のような「とりあえずビール案件」だ。「何でも良いので早々に打開策を持ち込むことを要求される」(同)という。 19日の政府の動きはドタバタだった。当初、官邸は「出発は延期したが出席は必ずする」と説明していた。これに対し、首相は「台風の被害状況を確認し、諸般の事情が許すなら出発する」と記者団に回答。被害次第では取りやめの可能性を示唆したのだ。
「この土壇場に『ビール案件』とは…」(警察庁関係者)。霞が関に衝撃が走った。関係者の話を総合すると、防災関係省庁の事務方へ「総理が国連出席を取りやめるレベルの被害が想定されるのか」などの「見通しの取りまとめ」が発注されたのだという。「官邸の指示か省庁一部幹部の独自判断かは不明だが典型的な『とりあえず案件』」と振り返る防災関係者は「そんな線引きを求めるのは酷。台風対応に追われる現場には迷惑この上なかった」と憤りを隠さない。
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能力のない首相では、まわりも大変です。
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