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東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、大会組織委員会理事だった高橋治之容疑者(78)が、出版大手「KADOKAWA」(東京)が大会スポンサーに選定されるよう組織委側に働きかけた疑いがあることが関係者の話でわかった。同社がスポンサー契約締結後、高橋容疑者の知人が経営する会社にコンサルタント料名目で総額7000万円を支払っていたことも判明。東京地検特捜部は、少なくともこの一部は高橋容疑者への賄賂だった疑いがあるとみて調べている。
高橋容疑者は、紳士服大手「AOKIホールディングス」のスポンサー契約などで便宜を図った見返りに、AOKI側から5100万円の賄賂を受け取ったとして8月17日に受託収賄容疑で逮捕された。高橋容疑者が大会スポンサーの選定に関し、複数の企業を仲介していた疑いが浮上した。
KADOKAWAは2019年4月、「書籍及び雑誌の出版サービス」の分野で、「オフィシャルサポーター」の契約を組織委と締結。東京大会の公式ガイドブックなどについて公式ライセンス商品の承認を受け、21年4月から順次発売した。
関係者によると、同社は東京大会の開催決定後、スポンサーになることを目指し、大手広告会社「電通」幹部だった高橋容疑者の知人に相談。知人からKADOKAWA側の要望を伝えられた高橋容疑者は、スポンサー枠に出版部門がなかったことから、組織委やスポンサー募集を担う「マーケティング専任代理店」だった電通に対し、出版部門のスポンサー枠を新設するよう提案した。
その上で、高橋容疑者はKADOKAWAを含む出版2社を候補として挙げ、1社が辞退し、KADOKAWAがスポンサーに選定された。同社は組織委と契約した翌月以降、知人が経営するコンサル会社への支払いを始め、総額7000万円が支払われたという。
特捜部は知人のほか、KADOKAWAの角川歴彦(つぐひこ)会長ら、スポンサー選定に関わった電通担当者らから任意で事情聴取を実施。電通側は「高橋容疑者から、KADOKAWAがコンサル会社に金銭を支払う案を提示された」などと説明したという。
角川会長は7月末、読売新聞の取材に対し、「高橋氏とは組織委で一度面会し、あいさつしたことがあるだけ」とし、「高橋氏との金銭のやり取りはない」と話した。
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崇高なモラルはなく、私利私欲は哀れです。
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