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安倍晋三元首相の国葬に関する衆参両院の閉会中審査は、近く開催される見通しだ。 岸田文雄首相は自ら出席し、批判の多い国葬をめぐり幅広い国民の理解を得たい考え。ただ、野党が求める費用総額は示さず、開催理由も従来の説明にとどめるとみられる。世論を軟化させるどころか、一層の反発を招いて「火だるま」となるリスクすらはらむ。 政府は国葬の費用として約2億5000万円の支出を決定している。会場の日本武道館の借り上げや設営に充てるもので、警備費や外国要人の接遇費は含まれていない。野党は総額を閉会中審査までに示すよう要求しているが、松野博一官房長官は2日の記者会見で「申し上げられる段階にない。国葬後に精査して示す」と拒否した。 総額の公表を先送りするのは、反対論がさらに盛り上がるのを警戒するためだ。野党内には「100億円かかるのではないか」と疑う向きもある。首相周辺は外国要人と同行者の滞在費は負担しないとしつつ、「節約できるところは節約する」と明かした。自民党からは「大まかな総額は分かるはず。事前に示した方がいい」(重鎮)との声も上がる。 首相は国葬とする理由について、(1)史上最長の首相在任(2)経済再生など歴史に残る業績(3)諸外国の敬意と弔意(4)民主主義の根幹である選挙活動中の非業の死―の4点を挙げてきた。8月31日の会見では「諸外国から多数の参列希望が寄せられている。国として礼節を持って応える必要がある」とも語った。 だが、世論調査では「反対」が50%を超える結果もあり、世論の理解は得られていない。立憲民主党幹部は「なぜ決断したのか4項目だけでは分からない。追及で初めて議論が深まる」と意気込む。岡田克也幹事長は4日のNHK番組で「閣議決定での国葬は法治主義に反する。首相は内閣葬でやると政治決断すべきだ」と語った。 野党側は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党議員の関係も追及する構えだ。山際大志郎経済再生担当相は内閣改造で留任後も、関連団体のイベント参加などの指摘が相次ぐ。与党内からは山際氏の進退について悲観的な声が出始めている。 首相は世論の反発を和らげることができるのか。自民党の閣僚経験者は国葬について「(首相は)会見と同じことを言うしかないから反対論は収まらない。急落する内閣支持率は底を打たない」との見方を示す。同党関係者は「首相がいくら説明しても反対の人が賛成に回るわけではない」と漏らした。
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国民が知りたいのは、血税がいくら無駄になるかでしょう。
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