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東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、東京地検特捜部は、大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)が、出版大手「KADOKAWA」が大会スポンサーに選定されるよう組織委側に働きかけた見返りに同社から賄賂を受け取った疑いが強まったとして、受託収賄容疑で再逮捕する方針を固めた。特捜部は、同社が高橋容疑者の知人が経営する会社に支払った総額7000万円に賄賂が含まれていたと判断したとみられる。
関係者によると、高橋容疑者は、大手広告会社「電通」時代の後輩で、コンサルタント会社を経営する知人を通じ、スポンサーを目指していたKADOKAWA側の要望を把握。組織委やスポンサー募集を担う「マーケティング専任代理店」だった電通に対し、出版部門のスポンサー枠の新設を提案した上で、KADOKAWAなど出版2社をスポンサー候補として挙げた。
1社は辞退し、KADOKAWAが2019年4月、「書籍及び雑誌の出版サービス」の分野の「オフィシャルサポーター」の契約を組織委と締結。同社はその直後に知人が経営するコンサル会社と契約を結び、支払いを始めた。知人の会社は、高橋容疑者が代表を務めるコンサル会社「コモンズ」と取引関係があったという。
特捜部はこうした経緯を踏まえ、KADOKAWAから知人の会社に提供された資金に高橋容疑者への賄賂が含まれていた疑いがあるとみて、知人のほか、KADOKAWAや電通の関係者らから事情聴取を実施していた。
KADOKAWAの角川歴彦(つぐひこ)会長(79)は5日、報道各社の代表取材に応じ、高橋容疑者の知人の会社への支払いを認めた上で、高橋容疑者に対する賄賂の認識は否定した。
高橋容疑者は8月17日、紳士服大手「AOKIホールディングス」のスポンサー契約などで便宜を図った見返りにAOKI側から5100万円の賄賂を受け取ったとする受託収賄容疑で逮捕された。特捜部は勾留期限の6日にも、高橋容疑者を同罪で起訴する見通し。
高橋容疑者を巡っては、AOKIやKADOKAWAのほか、大手広告会社「大広(だいこう)」が組織委のスポンサー募集業務を担う「販売協力代理店」に選ばれるよう働きかけていた疑いが浮上。大広は18年末~20年初め、高橋容疑者の知人の会社に計約1400万円を支払っており、特捜部は5日、大広の本社(大阪市)や東京本社を贈賄容疑で捜索するなど捜査を本格化させている。大広は5日、「東京地検の捜査に協力していることは事実で、事態を厳粛に受け止め、引き続き捜査に全面的に協力する」とコメントした。
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知人の会社を利用は用意周到なのでしょう。
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