傘下の暴力団員から集めた上納金約2億2700万円を隠し、所得税約8800万円を脱税したとして、福岡県警は16日、所得税法違反の疑いで特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)総裁の野村悟容疑者(68)=殺人罪などで起訴=ら幹部4人を逮捕した。県警によると、暴力団の上納金を個人所得ととらえ、脱税で摘発するのは全国初。県警は福岡地検や国税庁と合同で組織の存続基盤である資金の流れに捜査のメスを入れ、工藤会の犯罪収益の実態解明を進める。
他に逮捕されたのは、工藤会幹部山中政吉(64)▽工藤会系組幹部伊藤明雄(41)▽同丸本竜治(41)の3容疑者。県警は同日、野村容疑者や山中容疑者の自宅など関係先を家宅捜索した。
逮捕容疑は2010年から13年までの間、工藤会が傘下の組員から運営費目的で集めた上納金のうち、野村容疑者の個人所得に当たる約2億2700万円を隠し、所得税約8800万円を脱税した疑い。伊藤容疑者は、このうちの11~13年に脱税に関わった疑いがある。県警は4人の認否を明らかにしていない。
県警によると、山中容疑者ら3人は、組織の「金庫番」として野村容疑者関連の預金口座の管理に関わっていたという。県警はこれらの預金口座などを差し押さえ、現金の出入りを福岡地検、国税当局と合同で調査。確認できた未申告分を野村容疑者の個人所得と判断し、立件に踏み切った。
上納金は、飲食店などから回収したみかじめ料や覚せい剤の密売など犯罪収益が主。捜査関係者によると、工藤会は組織内の地位に基づき、組員1人から月数万~数十万円を徴収しているとされる。
県警は昨年9月に壊滅作戦に着手。野村容疑者の逮捕は4度目となる。
=2015/06/16付 西日本新聞夕刊=
(西日本新聞)
不法な犯罪収益である上納金のうち、容疑者関連の預金を所得認定したのだろうか。
他の暴力団も明日は我が身か。
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