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舛添氏は90年、世田谷区内に地上3階地下1階の邸宅を約3億円かけて新築した。その4年後、「舛添政治経済研究所」に所有権を移転させている。
その理由について推察するに、1人目の愛人A子さんが88年に長男を、2人目の愛人B子さんが90年に長女、95年に次女を出産しているため、個人所有のままでは財産分与をもとめられかねないと考えたのかもしれない。
さらに、ファミリー企業名義にするメリットを、税理士の浦野広明氏が解説する。
「まず、固定資産税を個人が負担するのではなく、会社の経費に算入することができる。また、不動産の登記簿謄本を見てみると、ファミリー企業は銀行から約3億円の借金をして、舛添さんから自宅を買い取った格好になっています。不動産の減価償却費を会社の利益から差し引きすることができるので、ファミリー企業にプールされていた舛添さんの講演のギャラなどで、税金の支払いを圧縮することが可能なのです」
■兼職禁止の規定にも引っかからず
2001年、舛添氏は、自民党比例区で参議院議員に初当選する。それに伴い、資産公開を行うと、総額約2億1800万円、新人議員で2位の資産家であることが明らかになった。だが、その預金のほとんどは、ファミリー企業が抱える借金の担保に入っていた。
しばらくすると、今度はファミリー企業が発行する社債を約2億9000万円分、引き受けていたことが、同じく資産公開によって判明する。
一方、舛添氏が代表を務める複数の政治団体は世田谷の邸宅を所在地にし、大家であるファミリー企業にこの6年間だけ見ても、少なくとも3500万円以上の家賃を払っている。むろん、その原資は税金である。
「もし、ファミリー企業から、舛添さんが報酬を受け取れば、そこには税金がかかります。ところが、社債の返済金というかたちなら無税です。さらに、厚労大臣などの閣僚に就任すると、兼職禁止の規定で、会社の役員は辞めなければなりませんし、報酬も得られない。ですが、この方法ならば、堂々と返済金名目で、キャッシュを手にすることができるのです」(同)
政治資金は家族サービスや美術品の購入だけでなく、家賃にも使われていた。しかも、舛添氏は、それをわが物とするに当たって、税金を納めずに済む方法を駆使していたのである。
舛添氏の今後について、都政担当記者に聞くと、
「自民党が今後も支える意向を示しているので、舛添さんの本心は余裕綽々です」
と太鼓判を押す。
「6月の末には、約380万円のボーナスが支給されますし、すぐに都知事の職を投げ出すわけがない。それどころか、権力欲が旺盛で目立ちたがり屋の舛添さんのことですから、2年後の都知事選にも出馬し、東京五輪まで居座り続けようとするはず。今回の問題は、都議会の定例会が終わる6月15日過ぎに、お手盛りで選ばれた第三者委員会が違法性はないと発表し、幕引きを図るに違いありません」
「特集 税金を払いたくない気持ちは日本一! ケチの王様『舛添都知事』をさらに褒めよ!」より
「週刊新潮」2016年6月2日号 掲載
税金泥棒でも合法は納得いかない。
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