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2016年6月5日日曜日

伊勢志摩サミットで3日間だけ使用の建物に28億円+解体費3億円 外務省「安いと信じる」

 5月に開かれた伊勢志摩サミットで、各国報道陣の取材拠点となった国際メディアセンター。その横に約28億5000万円かけて建てられた「別館」が、10月までに解体される。解体費は約3億円だ。

 インターネット上には、「もったいない」の声も。たった3日間で31億円と聞くと、こういう反応が出るのは当然だろう。BuzzFeed Newsは外務省に取材した。担当者はこう断言した。

「安いと信じている」

 本当にもったいなくないのか。さらに聞いてみた。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

3日間で約5千人が利用
「アネックス」と呼ばれるこの別館には、日本食を提供するダイニングや、日本の技術、伝統文化の展示、三重県の魅力を発信する情報館などが設けられていた。外には、日本庭園もあった。外壁や内装には三重県産の杉や国産の檜が使われ、海外メディアに日本をアピールした。

 5月25日朝から28日正午まで使われたこの施設には、33の国と地域から約5千人の報道関係者が詰めかけた。中でもダイニングでは無料で食事が提供され、取材に訪れた記者が太るほどのおもてなしがあったという。

 サミット取材に参加したBuzzFeed Japanの古田大輔編集長に聞くと、「サミット期間中は、会見の取材をしたり、記事を書いたり。ご飯は食べるけれど、展示をゆっくり見る暇はなかったし、見学スペースに立ち寄る人はそれほど多くなかった」と話す。

いろんな事情があるようだ
BuzzFeed Newsは外務省の「伊勢志摩サミット・広島外相会合準備事務局」の担当者に取材をした。

ーーなぜ解体するのですか
 もともと一過性の建物として計画していました。土地は県有地なので、更地に戻してお返ししないといけません。建設に使った部材は99%再利用します。そうやってコストを下げている仮設建築物なので、耐火性や耐久性も低い。恒常的に使うことはできません。

ーーもったいないのでは
 もちろんそういう考えもありますが、恒常施設として建てるのであれば、1.5倍とか、2倍のコストがかかります。そのランニングコストや維持費用を議論する必要があります。

ーー安く抑えられたのですか
 そう信じています。フロント部分には木材を使っていますが、ほとんどが鉄骨です。ぜいたくなものではないと理解しています。工期も短く、三重県に同様の建物を建てるとすれば、抑えている方です。

ーーもっと簡素なものじゃだめなのですか
 日本の場合は例えば自然災害が多い。それに耐えられる施設が必要です。地震や台風があったときに施設が壊れてはいけないとなると、プレハブやテントでは難しい。国際会議で何千人というメディア関係者が来られたときに、安全に、快適に作業できるスペースということで考えた施設のスペックでした。

洞爺湖や沖縄でも
一方、建設を担った国交省中部地方整備局の担当者もBuzzFeed Newsの取材に「できるだけ節約に努めました」と語る。

 豪華すぎるのでは、という質問には、「内外の報道関係者がいらっしゃいますので、和をテーマにしました。ただ、木材は目に触れやすい箇所に限定しており、下地や隠れる部分に関してはできるだけ安く仕上がるようにしています」と答えた。

 ちなみに、過去に国内で開かれた北海道・洞爺湖サミット(2008年)や九州・沖縄サミット(2000年)でも既存の施設で足りない部分に関しては、「仮設」で対応をしたという。材料費の問題で単純比較はできないが、洞爺湖サミットのメディアセンターも総工費は約30億円だった。

30おくえん……?
今回の出費は、28億5000万円+3億円=31億5000万円。

 熊本地震で被災した南阿蘇鉄道の復旧に必要な費用や、JR九州がつくった豪華列車「ななつ星」の製作費とほぼ同額だ。場所によっては、病院をひとつ建てることもできる。

 ただ、担当者が説明するように、サミットには、海外に日本をPRするという重要なミッションもある。それなのにプレハブやテントで済ますわけにはいかないだろう。ちなみに、サミットの総額予算は約600億円。そのうち警備関連費が約340億円を占めている。

 別館ではサミット後、6月10日までは地元の小学校の見学会が開かれるほか、6月4~5日には一般公開もされている(すでに募集は終了)。スケジュールは未定だが、10月をめどに解体工事を完了させる見込みだ。
(BuzzFeed Japan)

 税金の無駄だろう。
 既存の体育館を使えば済む話だろう。

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