今夏の球宴で「リアル二刀流」が見られるかもしれない。大谷はパ先発投手部門1位で、ノミネートされていない指名打者部門5位でランクインした。球宴での起用法について、栗山監督は「やりたいけど、あいつの体を守るルールがある」と投手かDHのどちらかに専念させる方針を示していたが、この日の結果を受け「まだ考えてないけど、ファン投票で選ばれたら考えます」と“軟化”。実現に含みを持たせた。
指揮官は二刀流4年目の今季、5月29日の楽天戦(コボスタ)で指名打者を使わずに「6番・投手」で先発させた。パの公式戦で初めて「リアル二刀流」となった大谷は、7回4安打1失点で3勝目を挙げ、打っては猛打賞と投打で奮闘。栗山監督は継続に前向きだ。
大谷は投手で3勝4敗、防御率2・84と伸び悩んでいるが、打撃では打率3割6分5厘、9本塁打、21打点と開花した。この日はヤクルト戦(札幌D)に「3番・DH」で先発出場し、4回2死で松岡から左中間フェンス直撃の二塁打を放った。13試合連続安打とし、自己最長を更新。投手としては異例のホームランダービーに選ばれる可能性もある。
仮に先発投手とDHで“ダブル当選”ならもちろん史上初だが、票数の多い方での選出となる。栗山監督は「どこの位置で一番多く選ばれるか。ファンの方はそこで見たいわけだから」としたが、ファンサービスに積極的なだけにファンの声を無視するとは思えない。
大谷は試合後、「大した投球ではないけど、期待してもらっている。打者で投票してもらうのは、うれしい。二刀流? それはないんじゃないですか? 選んでもらったところで頑張るだけ」と冷静に話した。それでも、「リアル二刀流」が実現すれば、真夏の祭典はこれまでにない盛り上がりを見せそうだ。
◆ファン投票選出規定(実施要項抜粋) 同一選手が2つ以上の守備位置で最多得票した場合、票数のもっとも多い守備位置で当選とし、他の守備位置は次位の選手を繰り上げ当選とする。
◆F大谷の球宴 ルーキーイヤーの13年はファン投票の外野手部門3位で選ばれ、第3戦(いわき)で高卒新人では86年の西武・清原和博以来となる打点をマーク。敢闘選手賞を受賞した。14年は投手部門の監督推薦で出場。第2戦(甲子園)では日本最速タイ&球宴新となる162キロをマークした。15年は先発部門で1位になり、投手と野手の両方でファン投票選出されたのは52年ぶり。第1戦(東京D)で先発し、最速159キロの剛速球と最遅89キロのスローカーブで沸かせた。
(スポーツ報知)
ファンは、両方を見たいでしょう。
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