東京都調布市の住宅街に小型飛行機が墜落した事故では、飛行目的が「慣熟飛行」と届け出されていた。届け出た機長以外に4人が同乗し、日帰りで伊豆大島へ往復するという飛行計画の内容と、「操縦士の技能維持」が目的の慣熟飛行には、ギャップがあるとの指摘が出ている。「遊覧目的との境界があいまい」との声もある中、地元自治体では飛行場管理者の都に安全対策の徹底を求める動きが出ている。
「遊覧目的の飛行でも、慣熟飛行と届け出るのが暗黙の了解のようになっている」。調布飛行場をしばしば利用するベテラン操縦士はそう明かす。
住宅密集地にある調布飛行場。都は、騒音などによる地域住民への迷惑を考慮し「遊覧飛行、体験飛行、周辺空域での訓練飛行」などを目的とする飛行機の離着陸を要綱で禁じている。このため自家用機については、飛行場の使用目的は慣熟飛行か整備のための飛行に限られている。
慣熟飛行は、既に免許を取得し、操縦に習熟している操縦士が、技能を維持するために行う飛行をいう。ただ法令の定めはなく、操縦の資格を持たない人を同乗させてもルール違反にはならない。「境界があいまいなだけに、慣熟飛行の届け出が遊覧飛行の隠れみのになることもある」とベテラン操縦士は話す。都調布飛行場管理事務所の担当者は「届け出の時に操縦士から聞き取りをすることはなく、虚偽があっても確認は難しい」と言う。
調布飛行場と同様に自治体が管理する県営名古屋空港(愛知県)や岡南飛行場(岡山県)では、遊覧飛行や訓練飛行を目的とする使用が認められている。
墜落した小型機の管理会社「日本エアロテック」の小山純二社長は27日の記者会見で「遊覧飛行は調布ではできない。そういう話は一切ない」として遊覧目的を否定した。
一方、飛行場の地元の調布市、三鷹市、府中市は27日、担当部長の会議を開き、3市合同で飛行場の安全に万全を期すことを都に要請することを決めた。舛添要一知事は「慣熟飛行という届け出でありながら、遊覧飛行であったとするならば、さまざまな問題が出てくるので改善しないといけない。調査をみて、安全対策を徹底したい」と記者団に語った。
都は再発防止策を講じるまでの間、調布飛行場での自家用機の離着陸を自粛するよう利用者に要請している。【内橋寿明、武本光政、黒川将光】
(毎日新聞)
遊覧飛行を暗黙の了解で東京都が黙認していたならば、都にも墜落事故の責任があるのだろうか。
今回も、警察と事故調が別々に調べているのだろうか。
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