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2015年7月31日金曜日

楽天三木谷オーナー過度な介入に現場混乱/記者の目


 楽天田代富雄打撃コーチ(61)が30日、楽天を退団した。

 打撃不振の責任を取り、球団へ辞意を伝え、了承された。球団は草野大輔2軍打撃コーチ(38)との配置転換を要請。しかし、昨年慰留された際にした、星野仙一シニアアドバイザー(SA=68)との約束が果たせなくなると固辞した。草野2軍打撃コーチが昇格し、平石1軍打撃コーチとの2人体制となる。

<記者の目>

 打撃不振の理由は田代コーチの責任だけではない。楽天には公然の秘密がある。三木谷浩史オーナー(50)の現場への介入だ。試合ごとにオーナー、監督、コーチ、フロントが携帯電話でやりとりを行う。数パターンの打順をオーナーに提出し、意見を仰ぐ。そのため打順が固定できないのだ。ここまで90試合を終え、72通りの打順が試された。

 打順が変われば、役割も変わる。昨年までの星野政権下では打順はほぼ固定。打撃練習でも試合を意識した打撃を行い、13年の日本一の要因ともなった。また選手の状態を最も知るコーチの意見を尊重し、打順を決定していた。しかし、最近では起用理由を問われた大久保監督が「俺は知らない。球団に聞いてくれ」と話すほど、決定権がない。コーチの配置転換は1つの手だが、効果を期待できない現状がある。田代コーチ退団の一因には、意見が通らず、存在価値が見いだせない環境があるはずだ。

 また「超機動力野球」も裏目に出ている。盗塁数の増加にまい進しているが成功率は63%しかない。25日のロッテ戦。4点を追う6回無死一、三塁で一塁走者が盗塁死。結局無得点に終わり、敗れた。これも三木谷オーナーから「とにかく走れ」という指令が出ている。ちぐはぐな攻撃では得点はできない。野球には流れがある。打てないという理由で、打撃コーチだけのせいにするのは疑問だ。

 三木谷オーナーの「常識にとらわれない野球」を目指す志は、すばらしい。今季は「トラックマン」というレーダーを導入し、球筋などを分析。投手の調子も数値化しようとしている。ただ、球界の慣例を無視する指示は反発を生む。

 主力選手の1人は言う。「田代さんだけに責任を取らせるのはあり得ない。『負けたのは使っている俺の責任』と話す監督はどうなんだ」と。オーナーの過度な介入に、ノーと言えない監督、フロント。選手のモチベーションは低い。チームスローガンの「一致団結」という言葉がむなしく響く。【楽天担当=島根純】
(日刊スポーツ)

 オーナーの過度な介入はおもしろい。
 13年の日本一で、勘違いしているのだろう。
 

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