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2016年1月11日月曜日

MLB選手会“マエケン契約”に異議「なぜ認めた」

 ドジャースに入団した前田健太投手(27)の契約内容がメジャーリーグ(MLB)全体に大きな波紋を呼んでいる。8年もの長期契約でありながら年俸総額を低く抑え、超大型の出来高を盛り込む――。異例とも言える超成果報酬型条項について米メディアから「マエダがドジャースにうまく丸め込まれてしまった」との見方が噴出する中、プレーヤーにとっては味方であるはずのMLB選手会からも問題視する声が出始めているという。

 9日に帰国した前田の契約内容はこれまでの情報を総合すると、契約金100万ドル(約1億1700万円)、年俸が8年総額2400万ドル(約28億1400万円)。1年当たりの基本年俸は300万ドル(約3億5200万円)で、広島時代の2015年の年俸3億円(推定)と比べても大差ない。これに投球回数や先発試合数などの条件をクリアすれば各年1015万ドル(約11億9000万円)の出来高がつき、最高で8年総額1億620万ドル(約124億5100万円)になるが、それでも日本を代表する投手としては物足りない数字だ。

 7日(日本時間8日)の入団会見で、前田は球団の身体検査で「イレギュラーな点があった」ことを自ら明かした。この点を突かれて、ドジャースに買い叩かれる要因となったのは間違いない。「しっかり働いてくれなければ大金は払わない」というシビアな契約内容であるにもかかわらず、メジャー挑戦の夢を諦め切れない前田サイドとしては、他に選択肢がなく渋々ながら厳しい条件を受け入れた格好だろう。

 実はこれに大きな疑問と不安を覚えているのがMLB選手会だ。前田サイドが選手側から見て明らかに不利な内容の契約を結んだことについて、同選手会幹部たちが「将来的にメジャーリーグ入りを目指す選手たちにとってあしき前例となり、交渉する球団側に足元を見られやすくなってしまうのではないか」と懸念しているというのだ。MLB選手会をバックアップし、ア・リーグ中地区の球団にも携わる関係者はこう打ち明ける。

「米国では才能のある人間が巨額の報酬を手にすることが当たり前とされる文化がある。そういう風潮の中でなぜ、このような低年俸の超成果報酬型条項が内容に加味された契約を結んでしまったのかは、やはり疑問が拭えない。選手会幹部の中には『前田が日本人的な発想を代理人に押し付けたから、このような契約を受け入れることになったのでは』と厳しい目を向けている人物もいるほど」

 やはり「世界最強の労働組合」と称されるMLB選手会には、これまで何度となくMLB機構側と濃密な労使の話し合いを重ね続けて、年俸などを含めた雇用条件の向上に心血を注いできた強い自負がある。それだけに前田とドジャースが今回結んだ契約内容には異論を唱えざるを得ない状況のようだ。

「そういう意味でも前田は結果を出して、満額に近い出来高を得るしかない。そうなれば、球団側が事前に行う身体検査のチェックデータが、必ずしもその後の結果に比例するわけではないことが証明されるからだ。逆に前田が失敗すれば、やはりドジャースの見立ては正しかったと世間に示されることになるだろう。つまり超成果報酬型条項の契約が今後、MLBのスタンダードになってしまう恐れも十分にある」と前出の関係者は警鐘を鳴らす。ドジャース・前田の成功の可否は、MLBの労使バランスを大きく変える可能性があると言えそうだ。
(東スポWeb)

 超成果報酬型は日本人的発想だろうか。
 成果を上げたら、多額の報酬を受けるのは、当たり前でよい制度と思うが。

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