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2016年4月29日金曜日

高橋周平 今季3発全てV弾 殊勲安打はリーグトップ、5年目大器覚醒の予感

◇セ・リーグ 中日9―2DeNA(2016年4月28日 横浜)

 いつ来るか。もう来るか。周囲から常にそう言われ続けた。嫌でも耳に入ってきた。中日・高橋周平。5年目を迎えた未完の大器が、ついに覚醒しようとしている。2―2の6回無死。自身15試合ぶりの一発となる決勝3号ソロが、雨模様の横浜の夜空に舞った。

 「ギリギリだったけど、入って良かった。しっかり振れることができたので、入ってくれた」

 砂田の133キロ直球。迷うことなく振り抜いた。遅れて出てきたバットのヘッドにはじかれた打球が、逆方向へ一直線に伸びる。これで今季3本のアーチは全て決勝弾で、しかも全て小熊の登板試合。先制、勝ち越し、逆転など「肩書」が付く殊勲安打はリーグトップの7本目だ。春季キャンプから軸回転を意識したフォームを徹底し、過去にないほど振り込んできた。その成果が表れた一発に「うまく逆方向に、しっかり強い打球を打てた」と谷繁監督。直前の5回に桑原の打球をトンネルした失策も帳消しにした。

 「同い年(の選手)も入ってきた。自分も頑張らなきゃ、と思っている」。この日試合が行われた神奈川県の出身。東海大甲府で甲子園出場はないが、11年のアジアAAA野球選手権では高校日本代表の3番を務めた。9月1日の韓国との決勝戦で、高校通算71本目のアーチとなる先制2ランなど4打点。大会MVPに選ばれた。その時のチームメートだった原樹(東洋大姫路)は東洋大を経て今季からヤクルト、横尾(日大三)は慶大から日本ハムに入団。一方で高卒の高橋はプロで4年間、成長しようと必死にもがいてきた。その経験こそが武器。だから、大卒の同世代のライバルには負けられない。

 開幕から全試合でスタメン出場。当時と同じ3番を打つが「打順にこだわりはない。とにかく試合に出て、活躍すること」。打線は3試合連続2桁安打。3カード連続の勝ち越しで、再び貯金を4とした。「(シーズンは)始まったばかり。まだまだこれから」と高橋。竜の未来を担え、君の手で――。自身の応援歌の言葉を、そのバットで現実に変えていく。

 ≪殊勲安打は今季7本目≫高橋(中)が6回に勝ち越しの3号ソロ。肩書付きの殊勲安打は今季7本目となり、雄平(ヤ)とともにリーグトップに立った。また、今季の3ホーマーは逆転、先制、勝ち越しといずれも肩書付きで全て勝利打点。決勝本塁打を3本は、内川(ソ)と並ぶ両リーグ最多本数になった。なお、決勝弾を放った3試合の勝利投手はいずれも小熊だ。
(スポニチアネックス)

 大学卒1年目と同じ年か。

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