「我慢」が勝負を分けた。同点で迎えた9回2死三塁。日本ハム・中田はフルカウントからの6球目のスライダーを左翼線へとはじき返した。
福山と川本の楽天バッテリーには、初球から5球連続で内角直球を投げ込まれた。それでも狙い球を最後まで変えず、ひと振りで決めた。
「スライダーだけを待っていた。追い込まれるまで違った攻め方だったが、最後に甘いスライダーが来てくれた」
14年9月27日のオリックス戦(札幌ドーム)以来となる自身3度目のサヨナラ打。過去2度は一発で決めただけに、安打での終止符は初めての経験だった。しかし、その表情は神妙だった。
「今日は勝てたから良かったけれど、(先発した)吉川さんの勝ちを消してしまった。自分のエラーから(楽天打線が)つながった。申し訳ない」。実際にはエラーではない。2点リードの9回。1死一、二塁で代打・枡田の一、二塁間のゴロをはじいた。記録は安打。だが、捕球できていれば、吉川は4勝目、守護神・増井も8セーブ目を挙げていた可能性は高まっていた。中田にとっては、本来ないはずのサヨナラ打だったのだ。だからこそ「意地でも点を取らないといけない場面だった」と振り返った。
それでも、4番が打たなければ勝てなかったのも事実だ。3回には3年ぶりとなる三塁打もマーク。左翼フェンスを直撃したが「打った瞬間にスタンドまで届かないと分かっていた」と全力疾走も見せた。チームは3日以来となる勝率5割に返り咲き。栗山監督は「サヨナラは良かったが、考えなくてはいけないシーンがたくさんある」と表情を引き締めた。 (横市 勇)
(スポニチアネックス)
守護神増井が安定しない。
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