深刻な貧打に苦しむDeNAが開幕約1カ月で新たな助っ人補強に打って出た。大きな期待を寄せていた新外国人・ロマックはここまで14試合出場で打率・111、本塁打0。9日には2軍落ちを経験し、20日に1軍昇格した後も目立った活躍はできていない。高田繁GMは先週「外国人野手を獲る方向で動いている」と明かし、球団関係者も「とにかく打てる野手が必要」と話していた。
球団の動きは素早かった。大筋で交渉が合意に達しているマクブライドは、メジャー実績は通算72試合出場で打率・199、4本塁打、17打点ながら、日本のファンには既に強烈なインパクトを与えている。昨年11月に米国代表としてプレミア12に出場。台湾で行われた1次ラウンドの日本戦では、侍ジャパンのエース・菅野の154キロ直球を叩き、左翼へ本塁打を放った。同大会は打率・500をマークして首位打者に輝き、ベストナインにも選ばれた。
昨季はロッキーズ傘下の3Aアルバカーキに所属し、78試合出場で打率・328、12本塁打、49打点。右の中距離タイプの打者で、シーズン終盤にはメジャー昇格も果たした。マイナー通算では打率・299、114本塁打と安定した成績を残している。本職は外野と一塁だが、今季はチームで捕手登録されており、捕手2人制を敷くDeNAにとっては貴重な戦力となる。
今季、チーム打率・223、69得点はいずれもリーグワースト。パンチ力もあるマクブライドを3番に固定できれば、不動の4番・筒香の得点力をより生かすことができる。ラミレス監督が「投手陣の状態は非常にいい。あとは打線が機能してくれれば」と話す通り、低調な打線とは対照的に投手陣はリーグ2位のチーム防御率3・13と安定している。左脇腹を故障し、2軍調整を続けている梶谷も来月上旬には復帰予定。新助っ人が加われば戦力アップは確実で、チームが一気に浮上するきっかけとなる。
現在は細部の交渉を詰めており、近日中には球団から発表される見通しだ。16年シーズンに入って中継ぎの藤岡、ザガースキーに続く補強第3弾。「菅野を打った男」マクブライドがラミレスDeNAの救世主となる。
◆マット・マクブライド 1985年5月23日、米ペンシルベニア州生まれの30歳。06年ドラフト2巡目で捕手としてインディアンス入り。11年途中にロッキーズにトレード移籍し12年8月に大リーグデビュー。15年オフにアスレチックスとマイナー契約を結んだ。大リーグ通算成績は72試合出場で打率・199、4本塁打、17打点。マイナー通算成績は860試合で打率・299、114本塁打、575打点。1メートル89、98キロ。右投げ右打ち。
(スポニチアネックス)
DeNAの救世主となるか。
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