ページビューの合計

2017年1月1日日曜日

内山引退も…ダウン奪うも判定負け「負けると思わなかった」

◆報知新聞社後援 プロボクシング ダブル世界戦 ▽WBA世界スーパーフェザー級(58・9キロ以下)タイトルマッチ12回戦 ○ジェスレル・コラレス(判定2ー1)内山高志●(31日、東京・大田区総合体育館)

 前WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志(37)=ワタナベ=が、王座返り咲きに失敗した。4月の12度目の防衛戦で敗れた現スーパー王者・ジェスレル・コラレス(25)=パナマ=に1―2の判定負け。5回にダウンを奪うなど見せ場は作ったが、採点に泣いた。試合後は進退について「少し休んで考えます」と明言しなかったが、引退する可能性が高い。内山の戦績は24勝(20KO)2敗1分け、コラレスは21勝(8KO)1敗1無効試合。(観衆4300)

 採点の結果を告げられると、内山は力なく頭を下げた。会場から悲鳴にも似たブーイングがこだました。それでも内山は「悔しいけど、これが実力。コラレスは強かった。(判定は)まあ、こんなもんだろうと思う」と、すんなりと敗北を認めた。控室では淡々とした表情だったが時折、悔しさを押し殺すかのように天井を見上げた。

 見せ場は作ったが、採点に泣いた。序盤、腰を落とした低い姿勢から繰り出すコラレスの強打に苦戦した。だが5回終了間際、カウンターのフックを合わせてダウンを奪った。10回にもボディーを攻めてコラレスをダウン寸前まで追い込んだが、相手がホールディングまがいのクリンチで必死にしのいだ。さらに最終12回が始まってすぐに靴のひもがほどけたとして時間稼ぎ。ブーイングに包まれたが、なりふり構わないコラレスを仕留めきれなかった。

 それでも「(クリンチは)あれもテクニック。さばくのがうまかった。(判定では)ダメかなって思った。リベンジはもっとハッキリした内容で取らないといけない。KOも狙わないといけなかった」と振り返った。だが、1人が7点差でコラレスを支持するなど疑問が残る判定になった。

 雪辱を期して、普段は見ない相手の映像を何度も見て研究を重ねた。これまではアップライトの構えからガードを上げるスタイルに変えるなどコラレス対策を徹底してきたが及ばず。「右フックとかボディーとか練習してきたことを出せなかった。余力を残しちゃったのがつらい。不完全燃焼ではないが、もっと出し切れたかな」と悔しさをにじませた。

 陣営の渡辺均会長(66)は「相性が悪すぎる。何回やっても勝てない」と振り返った。進退について内山は「勝ち以外は考えていなかったので、まだ何も考えていない。少し休む。まだわからない」と明言はしなかった。だが同じ相手に2度敗戦。ある関係者は「やめるのではないか」と話しており、引退を決断する可能性が高い。“KOダイナマイト”のボクシング人生が終わろうとしている。

 ◆内山 高志(うちやま・たかし)1979年11月10日、埼玉・春日部市生まれ。37歳。花咲徳栄高1年で競技を始め、拓大4年から全日本選手権3連覇。2005年7月プロデビュー。07年9月に東洋太平洋スーパーフェザー級王座獲得(5度防衛)。10年1月にWBA世界同級王者。15年2月にスーパー王者に昇格。16年4月のV12戦でコラレスに敗れ王座陥落。身長172センチの右ボクサーファイター。独身。
(スポーツ報知)

 逃げるコラレスを捕まえられなかった。

0 件のコメント:

コメントを投稿