公職選挙法違反の疑いが持たれている菅原一秀前経済産業相は3日、疑惑について説明しないまま衆院議員を辞職した。
昨年9月の菅政権発足以降、「政治とカネ」の問題で自民党を離党、国会を去ったのは吉川貴盛元農林水産相、河井克行元法相夫妻に続き4人目。だが、同党が説明責任を果たさせようとした形跡はない。7月の東京都議選や秋までの衆院選に影響必至との見方が広がる。
菅原氏の辞職を認めた3日の衆院本会議に先立つ議院運営委員会理事会で、野党は菅原氏が政治倫理審査会に出席して説明するよう迫った。だが、自民党理事は「政倫審は本人が釈明したい場面でやるもの。確認したが出るという意思表示はなかった」と取り合わなかった。
菅義偉首相(党総裁)も説明に後ろ向きだ。菅原氏の議員辞職願について、内閣記者会が2日午前、取材を申し入れたが、秘書官を通じ「首相として回答することはないので受けない」と拒んだ。同日夜になって記者団の前に姿を見せ、「大変申し訳ない」と陳謝したものの、直前に参加したワクチンサミットの説明のついでだった。
辞職した4人は疑惑発覚後、記者会見せず、書面のコメント発表で済ませている。菅原氏は1日付で「本来なら国民に直接おわびと説明をしたい」としつつ、新型コロナウイルス感染拡大や処分が確定していないことを理由に「現時点では控える。時機を見て説明する」と何も語らずじまいだ。
4人はいずれも首相と関係が深い。菅原氏と河井元法相の入閣は官房長官だった首相が後押ししたとされ、吉川元農水相は昨秋の党総裁選で首相陣営の事務局長を務めた間柄。河井案里氏の参院選擁立も首相が主導した。都議選と衆院選を控え、党幹部は「大きな影響が出てくる可能性がある」と警戒するが、行動が伴わない。
これに対し、立憲民主党の安住淳国対委員長は党会合で「『説明せずにうやむやにしても多数を持っている』とのおごりがある」と批判。共産党の志位和夫委員長は会見で「次から次に腐敗事件が起きたのに、責任を感じていない。自民党の姿勢が問われている」と非難し、国民民主党の玉木雄一郎代表は「国民の投票行動で示してもらうしかない」と、衆院選での「懲罰」を呼び掛けた。
自民党内からも疑問の声が出ている。岸田文雄前政調会長は記者団に「離党、議員辞職は重いが、説明責任から免れるものではない」と苦言。「説明責任について党としても具体的な対応をしてもらわなければならない」と訴えた。
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うやむやにすることが、自民党の体質のようです。
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