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公明党選対委員長の高木陽介衆院議員(61)=比例東京=の公設秘書が昨年12月から今年2月にかけて、知人が顧問を務める会社の税務調査をめぐり、会社側の要望を電話で10回以上、国税庁に伝えていたことが関係者への取材でわかった。秘書は、国税側と会社側との面会の場を設けたほか、同庁職員を議員会館に呼んで会社側の不満を伝えていた。 秘書は朝日新聞の取材に、会社側の要望を繰り返し国税庁に伝えた事実を認めたうえで、「納税者の意見を伝えただけで、圧力をかけたわけではない」と説明。一方、個別の税務調査への介入ではないかとの指摘については「真摯(しんし)に受け止めたい」と答えた。 東京国税局の税務調査を受けたのは、「若返りサプリメント」を販売する会社「健康医学研究所」(東京都新宿区)。 関係者によると、同社は、仕入れ時に支払った消費税が売上時に受け取った消費税を上回った場合に差額が還付される制度を使い、還付を申請していた。だが昨年8月に税務調査が始まり、申し立てていた消費税約1億円の還付手続きがストップ。同社の顧問は還付されないことなどへの不満を知人の秘書に相談した。 秘書は昨年12月下旬以降、調査中を理由に止まっていた消費税の還付を求める同社の要望を、国税庁に電話で繰り返し伝え、社長らと面会するよう求めた。国税側は同月24日に東京上野税務署(台東区)で社長らと面会。だが社長らが対応に不満を持ったため、秘書は同庁に「うちの顔を立てて下さい」と伝えた。その後、同28日には東京国税局(中央区)で再度の面会が行われた。 その後も続いた税務調査の中で、国税側は今年1月27日、社長らに調査結果の見通しを説明し、課税処分する可能性を示した。 秘書は会社側からこの説明内容への不満を聞き、翌28日、国税庁の課長補佐2人を議員会館に呼び、還付が行われていないといった同社の不満を直接伝えた。同社側に不正の根拠を明確に示すことを求めたうえで、「気をつけてもらいたい」と述べたという。 税務調査の結果、東京国税局は今年4月、同社がサプリ原料の仕入れ額を過大に計上し、2019年10月までの1年間で約11億円の所得隠しをし、消費税の還付額も過大に申し立てたと認定。重加算税を含む法人税と消費税計約7億円を追徴課税(更正処分)した。同社はこれを不服とし、7月に国税不服審判所に審査を請求した。 同社は朝日新聞の取材に応じていない。同社の税理士は「消費税還付がされず、資金繰りが厳しくなった窮状を訴えるため、代議士事務所に国税庁への働きかけを求め、動いてもらった、と社長から聞いている」と話した。 国税庁は「個別の税務調査にはコメントしない。一般論として議員や議員秘書からの問い合わせに関わらず、国税庁としては、個々の事実関係に基づき、法令等に照らし適切に対応している」としている。(中野浩至、浦野直樹) ■税務調査を巡る主な動き <昨年> 8月 東京国税局が健康医学研究所への税務調査を開始 12月下旬 高木陽介衆院議員の公設秘書が国税庁に同社の要望を伝える 24日 東京上野税務署で同社と国税側が面会 28日 東京国税局で再度の面会 <今年> 1月27日 国税側が税務調査の中で同社に課税処分の可能性を示す 28日 秘書が国税庁の課長補佐2人を議員会館に呼び、同社の不満を直接伝える 4月 東京国税局が約11億円の所得隠しなどを認定、同社に約7億円の追徴課税 7月 同社が課税処分を不服として国税不服審判所に審査請求 (関係者への取材による) ■高木議員「金銭的な授受も不当な働きかけもない」 高木陽介衆院議員は12日までに朝日新聞の取材に複数回文書で回答し、「秘書は、困っている方の市民相談に応じて、国税当局には公正かつ適正な対応を求めると共に、当事者に丁寧な説明をしてもらいたいと伝えました。もとより金銭的な授受もなければ、不当な働きかけや圧力をかけた事実もありません。『健康医学研究所』関係者とは、私は面識もありません」とした。 ◇ 高木氏の事務所は12日夕、朝日新聞の取材に対し、公設秘書について「既に退職しております」と回答した。 ■国税OB「こうした行為が許されれば、公平性が損なわれる」 国税OBの朝長英樹税理士の話 今回の公設秘書による一連の行為は、個別の税務調査に介入して特定の納税者が有利になるように口利きをしたと思われても仕方がない。こうした行為が許されれば、税制の公平性が損なわれることになる。
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議員にお願いするのは、今となっては時代遅れでしょう。
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