約1週間の夏休みを終え、22日から公務を再開した岸田文雄首相が政権発足以降、最大の試練を迎えている。21日には自身の新型コロナウイルス感染が判明し、30日まで公邸内にとどまる事態に。10日に断行した人事の刷新感は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と接点を持つ政務三役や党幹部の起用により早々に吹き飛んだ。賛否が割れる安倍晋三元首相の国葬を含め、いずれも世論の風当たりは強く、さながら「三重苦」の様相を呈している。 22日夜、療養中の公邸からリモートで取材に応じた首相は「自分が感染する事態を想定し、万が一の場合に備えてきた」と強調した。予定していた外国訪問や国際会議への参加もオンラインで対応し、「可能な限り、通常同様の対応を行っていきたい」と語った。 「国政に支障が出ないよう万全を期している」と胸を張る官邸サイド。これに対し、インターネットを中心に非難の声は絶えない。 官邸内では7月以降、松野博一官房長官や首相秘書官らの感染が相次いだものの、首相は夜の会食を継続。感染が確認される直前には、家族と茨城県でゴルフをしたり、静岡県内を旅行したりしていた。「トップとしての責任感が薄い」。自民関係者からも厳しい指摘が。一般の人が受けにくくなっているPCR検査を、首相の陽性判定に使ったことも、ネット上で火に油を注ぐ形となっている。 新型コロナを巡っては先週の段階で、全国の1日当たりの新規感染者数が過去最多を更新するなど、「第7波」の猛威が続く。首相はこの日、「保健所や医療機関のさらなる負担軽減策を一両日中に示したい」と語ったものの、「なぜ早めに手を打てなかったのか。遅きに失している」との声が政府内からも漏れる。 19日の衆院厚生労働委員会の閉会中審査で「危機感が足りない」(立憲民主党の長妻昭氏)と追及を強めていた野党に、首相の感染はさらなる攻撃材料を与えた格好となり、自民中堅は「タイミングが最悪だ」と嘆いた。 旧統一教会の問題も、政権の逆風となっているのは明らかだ。共同通信社が10日の内閣改造を受けて行った世論調査で、自民や所属議員の「説明が不足している」との回答は89・5%に。毎日新聞が22日に報じた調査結果では、岸田内閣の支持率は前回7月より16ポイント急落。お盆休みを挟んで火種が沈静化するどころか、火力は勢いを増している。 政府が9月27日に予定する安倍氏の国葬にも、冷ややかな目を向ける国民は少なくない。東京都内では中止を求めるデモが行われ、22日には国葬に反対する大学教授らが国会内で記者会見し、署名への賛同を呼びかけた。「こんな状態で、憲法改正や安全保障に関する議論を進められるのか」。与党重鎮からは政権の先行きを案じる声が出ている。 (河合仁志、御厨尚陽)
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無能の人なのでしょうか。何も変わらず、聞く耳も怪しい。
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