早実のエースとして06年夏の甲子園を制した元日本ハムの斎藤佑樹氏(34)が高校球児に宛てて書いた直筆の手紙が、ネット上で大きな反響を呼んでいる。 「日本郵便」の「夏のお手紙キャンペーン」広告の一環として、斎藤氏がしたためた高校球児への直筆の手紙が、6日から公式サイトなどで公開された。 「この夏にすべてをかける君へ」と書き出し、「その夢は、きっと叶うよ。とは、僕は言いません。勝負はわからないから。おなじ夢を持った人たちのぶつかりあいだから。ただ、今のまっすぐな君のまま、どうかこの夏のマウンドに立ち続けてください」「グランドでもグランド以外でも、君をいろんな出来事が待ち受けています。僕のように、不安だらけの時期を過ごし、挫折を味わうこともあるかもしれません。それでもなんとか前を向くために必要なもの。それは、記憶だと思います。過去の栄光、だなんて言われることもあるけれど。最後まで闘い抜いた記憶は、未来を生きる大きな力になります」などとエールをおくった。 甲子園で全国制覇を果たしてから、大学、プロでの苦闘を経てつづられた言葉に、ネット上では「手紙読んで泣いた」「手紙の内容といい、ものすごく達筆な字といいすごい人だなあ。」「いい文章だな」「4行目ではすでに泣いてた」「きれいな字やなあ」「色々味わってきた人の言葉って感じする。普通に心打たれた」などと続々と投稿が挙がった。 斎藤氏はこの日開幕した全国高校野球選手権で、開幕試合となった日大三島―国学院栃木の試合前に始球式を務めた。 手紙全文は以下の通り。 この夏にすべてをかける君へ 暑い日が続きますが、体調など崩していないでしょうか。 体格も投げかたも似ている、そして夢が叶うことを1ミリも疑っていない君と出会ったときから、僕はずっと、16年前の自分を重ねていました。その夢は、きっと叶うよ。とは、僕は言いません。勝負はわからないから。おなじ夢を持った人たちのぶつかりあいだから。ただ、今のまっすぐな君のまま、どうかこの夏のマウンドに立ち続けてください。これから先、グランドでもグランド以外でも、君をいろんな出来事が待ち受けています。僕のように、不安だらけの時期を過ごし、挫折を味わうこともあるかもしれません。それでもなんとか前を向くために必要なもの。それは、記憶だと思います。過去の栄光、だなんて言われることもあるけれど。最後まで闘い抜いた記憶は、未来を生きる大きな力になります。 なんて、大舞台がすぐそこだってときに、先の話なんてされたくないか。この夏、いちばん速い球を投げるのは、君じゃない。いちばん熱い球を投げるのが、いちばん強い球を投げるのが、なんだかいちばん凄い球を投げるのが、君であってほしいと思っています。今から君の過ごす夏が、君を一生奮い立たせる夏になりますように。 よし、 頑張れ。
2022夏 斎藤佑樹
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もう16年前か。あの頃が一番輝いていたように思う。
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