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冬の祭典に〝飛び火〟してしまうかもしれない。大手広告代理店の電通元専務で東京五輪・パラリンピック組織委員会の高橋治之元理事(78)が、大会スポンサーの紳士服大手「AOKIホールディングス」から多額の資金を受領したとされる問題が、さらなる波紋を広げている。4年に一度の祭典のイメージが悪化する中、札幌市が進める2030年冬季五輪招致にも大きな影響を及ぼしそうな雲行き。専門家も危機感を募らせている。 高橋氏の会社「コモンズ」はAOKIからコンサルタント料の約4500万円とは別に約2億3000万円を受け取ったことが明らかになっている。東京地検特捜部は高橋氏の自宅の家宅捜索や、任意の事情聴取を行うなど慎重に捜査。高橋氏は「未払い分を受け取っただけで問題はない」と主張しているという。 これまで数々のメガスポーツイベントに関わってきた高橋氏の〝疑惑〟にネガティブな反応を示す国民も少なくない中、専門化はどのように見ているのか。スポーツマネジメントを専門とする東海大准教授の押見大地氏は「マイナスであることは間違いない」とした上で「国民感情としては『やっぱりな…』という感じではないでしょうか。別に今に始まったことではなく、五輪の不祥事は以前から積み重なってきたので〝あきらめの境地〟かもしれませんね」との見解を示した。 そこで気になるのが、札幌市が進める2030年冬季五輪招致の〝支持率〟に与える影響だ。押見氏は「五輪は同じ構造のイベントですし、開催が8年後とそんなに遠くありません。そう考えると少なからぬ影響はありそうですね」と指摘する。 同市が3月に行った意向調査で、市民1万人を対象にした郵送調査では開催賛成が52%だった。過半数とはいえ、決して楽観できる数字ではない。さらに押見氏は「開催に関しては住民の理解を得るのが重要な要件の一つ。今後、国際オリンピック委員会(IOC)が独自に調査する可能性もありますし、その場合は『どっちでもいいかな』という〝中間層〟が(賛成から)反対に振れることも考えられます。そういうリスクもあるということです」と危機感を募らせた。 札幌五輪は既存施設を活用するなどコスト抑制を掲げる一方、同じ方針を示していた東京五輪は大会経費が大きく膨らんだ。「そこに対して懐疑的な見方は少なからず出ると思います。なぜ札幌でやるのかを伝えていくコミュニケーションの部分が大事。パワポ(パワーポイント)とかPDFだけでは関心のない人には届かないので、どんな媒体を使ってアプローチしていくか考える必要がありそうです」(押見氏)。 30年冬季五輪の開催地は12月に絞り込み、来年5~6月のIOC総会で正式決定する見通しだが…。東京五輪の〝負のレガシー〟が足を引っ張らないことを祈るばかりだ。
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税金の無駄使いと負のレガシーは止めてもらいたい。
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