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2016年7月23日土曜日

稀勢の里 3敗で綱切れた!協会ノルマ13勝届かず事実上消滅

◆大相撲名古屋場所13日目 ○日馬富士(寄り倒し)稀勢の里●(22日・愛知県体育館)

 東大関・稀勢の里の綱取りが絶望的になった。東横綱・日馬富士との2敗対決は、主導権を握られた末に寄り倒される完敗で3敗目。横綱審議委員会が課した14勝以上の優勝だけでなく、審判部の設定した13勝以上の優勝も不可能となり、今場所後の横綱昇進は事実上、なくなった。優勝争いは、単独トップに立った日馬富士を白鵬、稀勢の里に加え、東前頭10枚目・貴ノ岩が3敗で追う。

 稀勢の里は背中から1回転し、土俵下に転がり落ちた。両手両膝を地面についた。見上げた先には仁王立ちの日馬富士がいた。支度部屋では「くそっ」と絞り出すのが精いっぱい。右手を腰に当て、左手は膝の上に置いたまま。うつろな目でため息を繰り返した。自力優勝が消滅する痛恨の1敗。質問には無言を貫いた。

 朝稽古では勝利へのカギについて「いかにいい相撲を取れるか。力を出し切ること」と語っていたが、日馬富士に左の前みつを許し得意の左を封じられた。体勢を変えようと、左手で上手を取りにいった瞬間だった。やや上体が浮いた隙に一気に寄られ、豪快に投げ捨てられた。得意の展開に持ち込めず、横綱の技術の前に「力を出し切る」狙いは空回りした。

 白鵬らライバルの黒星で何度もチャンスをもらいながら、今場所の横綱昇進は絶望的になった。2日を残して3敗。横綱審議委員会(横審)の守屋秀繁委員長は平幕に2敗したことも踏まえ「日馬富士関との一番の負け方が推挙に値するような負け方ではなかったと思う」と指摘。逆転優勝でも場所後の横綱昇進は厳しいとの見解を示した。

 一方、審判部が昇進の条件とする初優勝の可能性は残っている。同部の友綱副部長(元関脇・魁輝)は「とにかく最後まで頑張ること。あとは終わってからだ」と含みを持たせ、八角理事長(元横綱・北勝海)は「終わった時の話で、今はどうこう言えない」と述べるにとどめた。

 強さともろさが同居する稀勢の里。春、夏場所は横綱戦で2連敗し、賜杯を逃した。綱取り継続の可能性も消滅しかねないだけに、連敗は許されない。(秦 雄太郎)
(スポーツ報知)

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